今回ご紹介するのはHiKOKI36Vインパクトドライバ『WH36DD』。
2024年2月に発売されたHiKOKI36Vインパクトドライバのフラグシップ最新機種。
前身の「WH36DC」が発売されたのが2020年10月なので約3年ぶりのモデルチェンジで細ビスモードを新たに搭載し、ビス締め時のカムアウトを低減。
グリップ構造、操作パネルのデザイン・機能、スマホアプリからの設定機能追加するなど操作性も更に追求されており、使うたびに進化を感じる機種になってます。
今回はそんな使うたびにワクワクしちゃう『WH36DD』についてレビューしていきます。
こんな方にオススメ♪
- HiKOKIの最高峰インパクトドライバが欲しい!
- 最新機種ならちょっとぐらいお財布のひもが緩んでも大丈夫。
- 内装や造作等のデリケート作業が多い
\当ブログの推しインパクトドライバまとめ記事はコチラ/
WH36DDのラインナップ
『WH36DD』のセット内容のラインナップは、本体のみの「(NN)」とバッテリ×2・充電器がセットになった(2XH)の2種類。
ただ、(NN)※本体のみ、に関しては近日発売となっており、現時点ではいつから発売かは未定です。
一部ショップ独自で「セットバラシ品」の形で本体のみを販売したりしてますね。
カラーバリエーションはアグレッシブグリーン・ストロングブラック・フォレストグリーン・スコーピオンレッド・スパイダーイエローの5色。
なお、フォレストグリーン・スコーピオンレッド・スパイダーイエローは後日発売となってます。
WH36DD(NN*):本体のみ
本体色 | 緑/黒/赤/黄/深緑 |
バッテリー | 無し |
充電器 | 無し |
収納ケース | 無し |
その他付属品 | 力こぶビット |
WH36DD(2XH*SZ):バッテリー2個+充電器
本体色 | 緑/黒/赤/深緑/黄 |
バッテリー | マルチボルトバッテリ(BSL36A18BX)×2個 |
充電器 | 付属(UC18YDML) |
収納ケース | ハードケース |
その他付属品 | フック・力こぶビット |
WH36DDの価格帯
型式 | 色 | ネット販売価格 |
|
本体のみ | バッテリ×2セット | ||
WH36DD |
アグレッシブグリーン | 未発売 ※バラシ品:21,200円 |
56,052円 |
ストロングブラック | 未発売 ※バラシ品:21,200円 |
55,025円 | |
スコーピオンレッド | 未発売 | 未発売 | |
フォレストグリーン | 未発売 | 未発売 | |
スパイダーイエロー | 未発売 | 未発売 | |
WH36DC | アグレッシブグリーン | 16,780円 | 43,000円 |
TD002G | 青 | 22,000円 | 53,980円 |
定価では本体のみ(NN)の価格で31,100円となっておりこれはマキタの40Vmaxフラグシップ「TD002G」と同じ価格となってます。
実販売価格ではまだ本体のみ(NN)が正式に発売開始されていない状況でありますが、セットバラシ品が21,200円で販売されており、前モデルの「WH36DC」と比較すると5,000円近く高額。
正式に本体のみが発売されて数が出回ればあと1,2千円ぐらいは価格は落ちるのかなと思ってますが、それでも「WH36DC」よりかは3,000円ぐらいは高価な状態がしばらくは続くかなと思います。
なお、セット品の場合には「WH36DC」に比べて1万円強も高くなっており、これは本体の違いもありますが、『WH36DD』では充電器が10.8Vバッテリも充電できる2ポート充電器になっていることも影響してます。
WH36DDの外観とサイズ・重量
外観・基本スペック
今回購入したのは『WH36DD(2XHBSZ)』で、Amazonで約55,000円。
バッテリ×2と充電器がセットになったフルセットの商品です。
TD002GRDXのセット内容
- インパクトドライバ本体 WH36DD
- バッテリ BSL36A18BX ×2個
- 充電器 UC18YDML
- 力こぶビット
- 取扱説明書 (HiKOKI公式HP:PDF)
マルチボルトバッテリ(BSL36A18BX)取り付け時。
HiKOKI表記の部分が差し色でざいんとなっており、個人的には「WH36DC」よりも好み。
バッテリ取り付け時で重さが約1.63kg。
WH36DCも1.63kgでしたので、重さは旧モデルから変わりなしですね。
グリップが進化し、ホールド感UP
細かくて分かりずらいですがグリップの凸凹形状がトリプルハンマデザインになってます。
HiKOKIさんちょっと遊んできましたね♪
ごのグリップデザインの変更ですが、単純に遊び心だけではなくて、従来機「WH36DC」と比べてグリップのホールド感向上にもつながっており、滑りにくくより安定した作業が可能になってます。
セットの充電器は最新型2ポート充電器
セットになっている充電器は最新型の2ポート充電器UC18YDML。
10.8V~マルチボルトバッテリまでほぼすべてのスライド式バッテリをこれ1つで充電できる超便利充電器。
マルチボルトバッテリの「もうバッテリは1つでいい」につづく「もう充電器は1つでいい」。
「UC18YDML」の詳細は以下記事で書いてますので気になる方は是非ご覧ください♪
ハードケースのデザインも変更
ハードケースのデザインも従来機「WH36DC」から変更。
画像には写ってませんが、小物入れフタにも簡易ロックが追加されており、ロック締め忘れによる小物のバラマキを防止してくれるようになってます。
箱の中のデザイン自体は新旧であまり変更はなしです。
マキタのハードケースに寄ってきた感じですかね♪
各種機能
機能 | 内容 |
---|---|
モード設定 | 7モード ソフト/パワー/カスタマイズ/細ビス ボルト(単発/連発)/テクス |
ビットワンタッチ取り付け | 非対応 |
防水・防塵 | IP56 |
ライトモード | 対応 |
Bluetooth通信 | 対応 |
新モード:細ビスモードが追加
設定モードは全部で7種類。
従来気の5モード(ソフト/パワー/ボルト(単発/連発)/テクス)に加えて新たに細ビスモードが登場。
職人さんのネジ締め動作を電子制御で再現し、カムアウトを低減してくれ、造作や内作などのデリケート作業に最適なモードです。
参考までに、各モードの説明は以下。
モード | 特徴 | 用途 |
ソフト(弱) | 細いネジや化粧材にダメージを与えない締付力 | 【デリケート作業】 小径ネジなど |
パワー(強) | 最大締付力を維持し、幅広い用途に使用可能 | 【一般作業から重負荷作業】 ネジ全般、長ネジ、コーチネジ |
APP(カスタマイズ) | スマホアプリでスイッチフィーリングを設定可能 | |
細ビス | ネジの十字穴をなめにくい | 【デリケート作業】 造作、内作、窓枠等に使用される細ビス |
ボルト(連発) | スイッチの引きしろが短く、最高速度の連続締め付け作業に効率的 | 【ボルト、ナットの締め・緩め作業】 |
ボルト(単発) | 打撃を制御し、締め付け力を抑制 | 【デリケート作業】 ラックやフェンス、家具などに使用されるボルト |
テクス | ねじの締めすぎによる頭飛びやネジの破断、空転が起きにくい | テクスネジ |
各モードでの作業の様子は更に下の動画をチェック
スマホアプリからカスタマイズが改善
『WH36DD』でもBluetooth対応バッテリ(BSL36A18BX等)からスマホアプリと連携し、各種設定が可能。
カスタマイズ項目
- 使用モードの選択
- スイッチフィーリング
⇒スイッチの遊び、最低回転数、最高回転数、ソフトスタート、低速域の幅 - LEDライト設定
⇒点灯時間、照度
「WH36DC」ではスイッチフィーリングのみの設定でしたが、『WH36DD』からは使用モードの選択、LEDライトの設定までできるように。
使用モードの選択とは、各モードのON/OFFを設定でき、OFFにされたモードはインパクト本機でモード設定スイッチを押しても、そのモードが選択されない/OFFモードを飛ばしてくれるので、自分が使うモードの中だけでスイッチ設定が可能。
パワーモードと細ビスモードとテクスモードしか使わない。と設定してあげれば、モード設定スイッチを押すと、パワー⇒細ビス⇒テクス⇒パワー⇒・・・といった感じです。
使うことのないモードを無駄に回さなくていい♪
ユーザ目線に立った、かゆいところに手が届くHiKOKIさん。さすがです!
また、カスタマイズ(APP)に関して、従来機WH36DCではパワーモードをカスタマイズする形でしたが、『WH36DD』ではパワーモードとカスタマイズモードそれぞれで設定が可能。
「WH36DC」でパワーモードもそのまま使いたいけど、カスタマイズもしたい・・・との葛藤に苦しんでいた方も『WH36DD』で無事に苦しみから解放です。
ビットのワンタッチ取り付けはまたも非対応
個人的にここはHiKOKIさんにも頑張ってほしい所ですが、ワンタッチビット取り付けについては未だHiKOKiのインパクトで採用した機種は無く、『WH36DD』でも同じく非対応です。
めんどくさがりの筆者としては地味~にビットの取り換えが面倒なので、その点はマキタ「TD173D」「TD002G」などで採用されているワンタッチビット取り付けを是非ともHiKOKIさんにも。
または下のようなビットジョイントを使う方法もありはしますが。
LEDがより明るく!
LEDの素子点数が従来機の3灯から9灯に大幅増!!
マキタ「TD173D」の全周LEDほどの衝撃は無いですが、従来機と比べてやはり明るくなっており、暗所での作業性が向上してます。
画像左が『WH36DD』(9灯LED)、右が従来機「WH36DC」(3灯LED)。
画像では中々伝わりにくいですが、実際に目で見た感じでは、『WH36DD』の方が結構明るいです。
また従来機同様、点灯モードは「連続」「ビット連動」「消灯」がえらべるので、締め付け作業時だけでなくちょっとしたワークライト代わりにもなります。
他機種との比較
従来機:WH36DCとの比較
前段でもちょくちょく出てきてますが、改めて新旧フラグシップ「WH36DC」と比較してみます。
WH36DD | WH36DC | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 200N・m | 200N・m |
最大回転数 | 3,700回転/分 | 3,700回転/分 |
最大打撃数 | 4,100回/分 | 4,100回/分 |
モード切替 | 強弱2段,細ビス ボルト,テクス | 強弱2段 ボルト,テクス |
その他機能 | LED(9灯) トリプルハンマ IP56 Bluetooth | LED(3灯) トリプルハンマ IP56 Bluetooth |
本体価格(定価) | 31,100円 | 28,200円 |
最大トルク値は新旧変わらず200N・mと高水準であり、回転数や打撃数もそのまま、基本的なスペックは「WH36DC」と同じです。
モードについては前段で記述した通り、デリケート作業に最適な細ビスモードが追加されており、より多くのシーンに対応。
また、画像上に記載してますが、皆さんが気になるヘッドの長さは従来機よりも5mm短縮し、111mmとマキタ・HiKOKIの中でも最短レベルにまで進化してます。
ちょっと細かい所ですが、モード設定やLED設定のボタンが『WH36DD』では点灯するようになっており、モードの表示も「■」箇所が点灯していたのに対して、モード表示自体が点灯するデザインに変わってます。
設定モードの認識がしやすい、ボタンの位置が分かりやすい、とか格好いいとかありますが、大きな影響はないためご紹介までw
ということで確かに進化は遂げてますがインパクトドライバそのものとしての性能は「WH36DC」と同様のため、細ビスモード別に使わないとか、「WH36DC」スペックでも不自由しないって方も結構いるかなと。
「WH36DC」もまだまだ市場に出回ってますので、自分が『WH36DD』の機能を使うか?を考えてから購入された方が、良い買い物になるかと思います。
マキタフラグシップ:TD002Gとの比較
WH36DD | TD002G | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 200N・m | 220N・m |
最大回転数 | 3,700回転/分 | 3,700回転/分 |
最大打撃数 | 4,100回/分 | 4,600回/分 |
モード切替 | 強弱2段 細ビス,ボルト,テクス | 強弱4段 木材,ボルト×3,テクス×2 |
その他機能 | LED(9灯) トリプルハンマ IP56 Bluetooth | LED(4灯) DST IP56 Bluetooth |
本体価格(定価) | 31,100円 | 31,100円 |
ライバル機種マキタ40Vmaxフラグシップ「TD002G」と比較。
最大トルク値はTD002Gの方が高く、より高負荷の作業でもスムーズにこなせますが、『WH36DD』の200N・mもインパクトドライバの中では高水準であり、よほどの太っといボルトを締めるとかでなければ困ることはない。
強弱の設定では『WH36DD』は2段階に対して「TD002G」では4段階とより細かく設定可能。
シーン別設定でも相手を凌駕するのは『WH36DD』では細ビスモードあり、「TD002G」ではボルト/テクスモードの種類が豊富であるため、自身の作業内容によって合わせて選びたいところですね。
また、アプリカスタマイズでの優位性は『WH36DD』では使用モードの選択が可能な点、「TD002G」では各々のモードでカスタマイズが可能となっており、甲乙つけがたいところ。
なお、「TD002G」では別途通信アダプタが必要なためカスタマイズしようと思うとプラスで1万円ぐらい出さないといけない点は要注意です。
また、『WH36DD』の方がヘッドの長さが8mm短く、狭所作業に適しているのは『WH36DD』になります。
実際に使って見る
コーススレッドやらピアスビスやら試し打ち
材料 | 太さ×長さ | モード |
木材 | Φ3.3×25mm | 細ビス |
Φ3.3×45mm | ||
Φ4.8×45mm | ソフト | |
Φ4.8×90mm | パワー | |
Φ5.2×120mm | パワー | |
LGS | Φ4.0×13mm | ソフト |
テクス | ||
鉄板t3.0mm | Φ4×10mm | テクス |
単管ボルト | ー | ボルト(単発)→(連発) |
杉材コーチボルト | Φ9×75mm | ボルト(単発)→(連発) |
コーススレッド120mmのビス打ち速さ
当ブログでは120mmのコーススレッドのビス打ち速さで各機種を比較。
※木材硬さの違いや、トリガーの引き方の微妙な違い等の条件で誤差は多少あるかと思いますが、参考までに。
コーススレッド120mmのビスを1本打ち込むのに約2.8秒。従来機「WH36DC」(2.83sec)とほぼ変わらず。
ライバル機種マキタ40Vmax「TD002G」よりもコンマ数秒遅いですが、もはやこのレベルになると誤差範囲内ですね。
とりあえず、『WH36DD』もビス打ち速度は速い!ってことだけお伝えしておきます♪
WH36DDのメリット・デメリット
というわけで、情報をまとめると。。。
メリット | デメリット | ||
〇 |
細ビスモードでデリケート作業に最適 | ✕ |
インパクトドライバ基本性能はWH36DDと同じ |
〇 | スマホアプリでカスタマイズ可能 | ✕ | WH36DCと比べると数千円以上価格が高い |
〇 | ヘッド長111mmでマキタ・HiKOKI最短水準 | ||
〇 | IP56対応で過酷な環境でも安心して使える |
というわけで、冒頭にも記載してましたが、『WH36DD』をオススメできる人は
こんな方にオススメ♪
- HiKOKIの最高峰インパクトドライバが欲しい!
- 最新機種ならちょっとぐらいお財布のひもが緩んでも大丈夫。
- 内装や造作等のデリケート作業が多い
まとめ
ということで今回は『WH36DD』をレビューしました。
細ビスモード搭載によりデリケート作業への適応するとともに、ユーザ視点に立った細部の修正・進化を加えた最新フラグシップになってます。
個人的に使用モード選択は地味に嬉しく、グリップ形状の変更もなかなか恩恵を実感することは少ないかもですが、改めてメーカさんの企業努力ってすごいなと感じる機種ですね。
まだ本体のみ(NN)が発売されていないので、なんともですが、価格的には2万円前後となりそうかなとのところで、各機種の機能・お財布と相談しながら、機種選びも楽しんでいただけたらと思います。
筆者のインパクトドライバの推しは『WH36DD』に更新されたことは参考までにお伝えしておきます~。