今回ご紹介するのはHiKOKIの18Vインパクトドライバ『WH18DC』。
2022年8月に発売された18Vフラグシップモデルで、WH18DBの後継機。
ヘッド長116mmのコンパクトながら、トリプルハンマを具備した180N•mの高トルク値を実現した「WH36DC」の18V版高スペック機種。
18Vの最上位機種であることは間違い無いですが、HiKOKIの最大の利点・マルチボルト(18V,36V)を考慮するとネット販売価格が変わらないWH36DCでなくコチラを選ぶことには疑問符が。。。
今回はそんな『WH18DC』についてレビューしていきます。
こんな方にオススメ♪
- 18Vバッテリーしか持ってない
- 現場作業用の高スペックインパクトを探してる
\当ブログの推しインパクトドライバまとめ記事はコチラ/
WH18DCのラインナップ
『WH18DC』のセット内容のラインナップは全部で3種類。
本体のみの(NN)、マルチボルトバッテリ(BSL36A18)×2個と充電器がセットになった(2XP)が正式ラインナップ。
そしてAmazon限定でマルチボルトバッテリ(BSL36A18)×1個と充電器のセットもあります。
カラーバリエーションはアグレッシブグリーン・ストロングブラック・フレアレッドの3色。
WH18DC(NN*):本体のみ
本体色 | 緑/黒/赤 |
バッテリー | 無し |
充電器 | 無し |
収納ケース | 無し |
その他付属品 | フック |
WH18DC(2XP*):バッテリー2個+充電器
本体色 | 緑/黒/赤 |
バッテリー | マルチボルトバッテリ(BSL36A18)×2個 |
充電器 | 付属(UC18YDL2) |
収納ケース | ハードケース |
その他付属品 | フック |
WH18DC(XP):バッテリー1個+充電器
本体色 | 緑 |
バッテリー | マルチボルトバッテリ(BSL36A18)×1個 |
充電器 | 付属(UC18YDL2) |
収納ケース | ハードケース |
その他付属品 | フック |
WH18DCの価格帯
型式 | 色 | Amazon価格 |
||
本体のみ | バッテリ×2セット | バッテリ×1セット | ||
WH18DC |
アグレッシブグリーン | 18,400円 | 48,500円 | 41,800円 |
ストロングブラック | 19,900円 | 49,000円 | ー | |
フレアレッド | 20,400円 | 48,000円 | ー | |
WH36DC | アグレッシブグリーン | 18,800円 | 48,000円 | 42,000円 |
TD173D | 青 | 20,600円 | 49,800円 | ー |
定価(グラフ)で見ると、『WH18DC』の36V版である「WH36DC」とは1,000円ほどの差で、マキタの18Vフラグシップ「TD173D」とは3,000円弱の差。
実際販売価格で見ると、「WH36DC」とはほとんど価格差はなく、むしろタイミングによっては「WH36DC」の方が安いこともしばしば。
現に、表にあるようにバッテリ×2のフルセットでは「WH36DC」の方が安くなっており、しかも付属のバッテリは新型のBSL36A18X。
これを見てしまうと、『WH18DC』を選ぶケースって、BSL1820Mとかのマルチボルトでなく純粋な18Vバッテリを使っている人ぐらいでしょうか。
DIYモデルに付属してる18Vバッテリをメインに使ってるとかのケースかな?
ちなみにマキタの18Vフラグシップ「TD173D」よりかは若干お得ではあります。
WH18DCの外観とサイズ・重量
外観・基本スペック
今回購入したのは『WH18DC(NNB)』。
インパクト本体のみでストロングブラック色です。
内容物は写真と下のリストの通りで、いつも通りマキタさんと違ってドライバビットの付属はないです。
純正の付属ドライバビットあんまり使わないから別に気にしてはいないんですけどね。
WH18DC(NNB)の内容物
- インパクトドライバ本体
- フック
- 取扱説明書(PDF版はコチラ※HiKOKI公式HP)
マルチボルトバッテリ(BSL36A18)取り付け時。
マキタの18Vフラグシップに比べてバッテリの前出っ張りがやや気になるかなぐらい。
手持ちの感じはさすがフラグシップ、ヘッドも非常にコンパクト(114mm)で取り回しやすいです。
最近のHiKOKi上位機種では当たり前になっている、駆動部にはブラシレスモータ、打撃部にトリプルハンマを採用しており、よりパワフルな締め付けを実現しております。
各種機能
機能 | 内容 |
---|---|
モード設定 | 5モード ソフト/パワー/ボルト(単発/連発)/テクス |
ビットワンタッチ取り付け | 非対応 |
防水・防塵 | IP56 |
ライトモード | 対応 |
Bluetooth通信 | 非対応 |
モード切替で作業効率UP
設定モードは全部で5種類。
単純なパワー設定で2種類(弱,強)、作業部材に合わせたモード設定で3種類(ボルト(連発),ボルト(単発),テクス)。
作業内容に合わせてモード設定することで、作業失敗の低減や効率UPが図れます。
各モードの説明は以下。
モード | 特徴 | 用途 |
ソフト(弱) | 細いネジや化粧材にダメージを与えない締付力 | 【デリケート作業】 小径ネジなど |
パワー(強) | 最大締付力を維持し、幅広い用途に使用可能 | 【一般作業から重負荷作業】 ネジ全般、長ネジ、コーチネジ |
ボルト(連発) | スイッチの引きしろが短く、最高速度の連続締め付け作業に効率的 | 【ボルト、ナットの締め・緩め作業】 |
ボルト(単発) | 打撃を制御し、締め付け力を抑制 | 【デリケート作業】 ラックやフェンス、家具などに使用されるボルト |
テクス | ねじの締めすぎによる頭飛びやネジの破断、空転が起きにくい | テクスネジ |
各モードでの作業の様子は更に下の動画をチェック
ビットのワンタッチ取り付けは非対応
ワンタッチビット取り付けについては未だHiKOKiのインパクトで採用した機種は無し、『WH18DC』も非対応となってます。
頻繁にビットの付け替えをする人にとっては、やや手間になるので、今の所、ワンタッチがいいって方はマキタのインパクト(「TD173D」など)を検討してみてもいいかもです。
または下のようなビットジョイントを使う方法もありますね。
現場作業に安心なIP56]
『WH18DC』の保護等級IP56の防塵防水スペックを保持。
電気・電子部品にとって最大の敵の一つである粉塵や水。
これらが内部に侵入しにくい(もしくは、侵入しても耐えられる)構造となっており、過酷な環境下が多い現場でも、安心して使用できます。
IPとは何ぞや??という方は下の記事をチェック♪
LEDはライトモードでワークライト代わりにもなる
LEDはビットの影ができにくい3灯タイプで広範囲を照射。
点灯モードは「連続」「ビット連動」「消灯」がえらべるので、締め付け作業時だけでなくちょっとしたワークライト代わりにもなります。
※連続点灯は最長2分。
Bluetoothは非対応
『WH18DC』ではBluetoothは非対応となっており、スマホアプリでの回転数等のカスタマイズは不可です。
他機種との比較
WH36DCとの比較
『WH18DC』の36V版「WH36DC」と比較してみます。
WH18DC | WH36DC | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 180N・m | 200N・m |
最大回転数 | 3,400回転/分 | 3,700回転/分 |
最大打撃数 | 4,000回/分 | 4,100回/分 |
モード切替 | 強弱2段 ボルト,テクス | 強弱2段 ボルト,テクス |
その他機能 | LED(3灯) トリプルハンマ IP56 | LED(3灯) トリプルハンマ IP56 Bluetooth |
本体価格(定価) | 27,100円 | 28,200円 |
トルク値は「WH36DC」の方が高くよりパワフル、そのほかモード種類やLED、防塵防水機能(IP)は変わりなし。
Bluetoothを使ったスマホアプリでのカスタマイズは「WH36DC」でのみ対応してます。
定価では『WH18DC』の方が1,000円ほどお安くなってますが、ネット等での実販売価格はほとんど変わらず。なんならタイミング次第では、「WH36DC」の方が安いこともしばしば。
となると、どちらもマルチボルトバッテリが使えるのであれば価格はほとんど変わらない「WH36DC」を選択する方が賢明ですね。
マキタTD173Dとの比較
同じ18Vでマキタフラグシップ「TD173D」と比較してみます。
TD173D | WH18DC | |
---|---|---|
モータ | ブラシレスモータ | ブラシレスモータ |
最大トルク値 | 180N・m | 180N・m |
最大回転数 | 3,600回転/分 | 3,400回転/分 |
最大打撃数 | 3,800回/分 | 4,000回/分 |
モード切替 | 強弱4モード 楽らく4モード | 強弱2段 ボルト,テクス |
その他機能 | LED(全周) ゼロブレ APT | LED(3灯) トリプルハンマ IP56 |
本体価格(定価) | 29,700円 | 27,100円 |
同じ18Vのフラグシップモデルらしく、トルク値は同じ180N・m。
モード数では「TD173D」と『WH18DC』の違いというよりはマキタ・HiKOKIの違いで、よりモードが豊富なのは「TD173D」。
LEDの性能も「TD173D」の方が上になりますが、価格的には『WH18DC』の方が2千円ほどお得♪
実際に使ってみる
コーススレッドやらピアスビスやら試し打ち
材料 | 太さ×長さ | モード |
木材 | Φ3.3×45mm | ソフト |
Φ4.8×90mm | パワー | |
Φ5.2×120mm | パワー | |
LGS | Φ4.0×13mm | テクス |
鉄板t3.0mm | Φ4×10mm | テクス |
単管ボルト | ー | ボルト(単発) |
杉材コーチボルト | Φ9×75mm | ボルト(単発)→(連発) |
コーススレッド120mmのビス打ち速さ
当ブログでは120mmのコーススレッドのビス打ち速さで各機種を比較。
※木材硬さの違いや、トリガーの引き方の微妙な違い等の条件で誤差は多少あるかと思いますが、参考までに。
コーススレッド120mmのビスを1本打ち込むのに約2.6秒。
「WH36DC」よりもコンマ数秒早い結果になってますが、もはやこの領域になると誤差範囲内。
正直、ビス打ち速度に関してはどのメーカも飽和してきてしまっている印象です。
フラグシップ同士で比べるとどうしてもそうなりますが、『WH18DC』のビス打ち速度が速いことは間違いないです。
WH18DCのメリット・デメリット
というわけで、情報をまとめると。。。
メリット | デメリット | ||
〇 |
ビス打ち速度が速い | ✕ |
上位機種WH36DCと価格が変わらない |
〇 | 取り回し良き | ||
〇 | IP56対応で過酷な環境でも安心して使える |
というわけで、冒頭にも記載してましたが、『WH18DC』をオススメできる人は
こんな方にオススメ♪
- 18Vバッテリーしか持ってない
- 現場作業用の高スペックインパクトを探してる
まとめ
ということで今回は『WH18DC』をレビューしました。
フラグシップモデルらしく高機能で扱いやすいインパクトドライバであることに偽りはないです。
が、どうしてもマルチボルト機種「WH36DC」と並べてみると、『WH18DC』を選択する方が良い人はかなり限定的。(18V縛り)
「BSL1820M」とかでより軽量化して使いたいって方ぐらいでしょうか。。。
では。みなさんが自分に合った電動工具に出会えることを願って。