2025年12月に発売された、マキタの18V・125mm防じんマルノコ「KS515D」と「KS516D」。KS515Dはダストボックス仕様、KS516Dは集じん機につなぐダストカバー仕様で、中身は同じ兄弟機です。KS513D/KS514Dの後継で、マキタ18Vの防じんマルノコの現行主力です。
本体のみのKS516DZを購入し、騒音の測定と、SPFの1×4材・2×4材の直角切りを試しました。先代のKS514Dとの仕様や音の違いを中心に紹介します。切った材料ごとの使い心地の評価までは、この記事には載せていません。

KS515D/KS516Dのスペック

| 項目 | マキタ KS515D ![]() |
マキタ KS516D ![]() |
|---|---|---|
| 電源 | 18V | 18V |
| のこ刃径 | 125mm | 125mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm |
| 回転数 | 5,400min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
| 質量 | 2.8kg | 2.7kg |
| キックバック反動低減 (AFT) |
あり | あり |
| 防滴・防じん (APT) |
あり | あり |
| 無線連動 | 対応 (別売品が必要) |
対応 (別売品が必要) |
| 騒音 (実測) |
─ | 96dB |
| 標準のこ刃 | 別売 | 別売 |
| 本体のみの価格 (税別) |
54,600円 | 52,400円 |
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- 回転数が先代の5,000min⁻¹から5,400min⁻¹に上がり、メーカーのサイディング切断条件では切断スピードが約20%アップした
- キックバック時の反動を減らすAFTと、防滴・防じんのAPTが付いている
- KS515D・KS516Dとも、集じん機との無線連動に対応している
- ダストボックスとダストカバーを、別売品で後から付け替えられる
デメリット
- 騒音の実測値は96dB(先代KS514Dは94dB)。静音モードは無い
- のこ刃は別途用意(全品番で別売)
- 本体のみの価格は52,400円から(KS516DZ)
KS515DとKS516Dの違いは、切り粉の集め方

| 項目 | マキタ KS515D ![]() |
マキタ KS516D ![]() |
|---|---|---|
| 集じんの仕組み | ダストボックス (箱にためる) |
ダストカバー (集じん機専用) |
| 集じん機への接続 | ダストキャップを 外せばできる |
できる (前提) |
| 質量 | 2.8kg | 2.7kg |
| 本体のみの価格 | 54,600円 | 52,400円 |
| セットの価格 | 113,400円 | 111,200円 |
集じん機なしでも切り粉を箱にためたいならKS515D、集じん機につなぐ前提ならKS516Dが候補です。回転数・切込み深さ・AFT・APT・無線連動は同じです。
KS515Dは切り粉を本体のダストボックスにためる仕様で、集じん機が無い現場でも切り粉を受けられます。箱のダストキャップを外せば、集じん機にもつなげます。

KS516Dは、刃の前側を覆うダストカバーからホースで集じん機へ吸わせる仕様です。集じん機をつながないと切り粉を集められません。
どちらも、別売品を買えば後からもう一方の仕様に付け替えられ、KS515Dには別売の大容量ダストボックスもあります。

ダストボックスが無いぶん、KS516DはKS515Dより100g軽く、本体のみでもセットでも2,200円安くなります。
KS515D/KS516Dの4つの特徴
- 自動変速で、負荷が小さいときは速く、大きいときは力を出して切る
- AFTとAPTで、キックバックと水・粉じんに備える
- 無線連動で、集じん機のスイッチを入れに行かなくていい
- 重心が刃に近く、ベースを水平に保ちやすい
自動変速で、負荷が小さいときは速く、大きいときは力を出して切る

切るときの抵抗(負荷)が小さいときは高速回転の「ハイスピードモード」、大きいときは力を出す「高トルクモード」に、本体が自動で切り替わります。材料の重さで切り替わるわけではありません。
回転数は先代の5,000min⁻¹から5,400min⁻¹に上がりました。2026年9月時点で、マキタの18V・125mm丸ノコではHS474D/HS475Dと並んで最も高い回転数です。メーカーの比較では、厚さ14mm・幅455mmのサイディングボードを切ったときの切断スピードも、同社の従来機より約20%アップしています。
自分でモードを選ぶ機能ではなく、いまどちらで回っているかはモードランプで分かります(ハイスピードは消灯、高トルクは緑に点灯、過負荷は緑に点滅)。
AFTとAPTで、キックバックと水・粉じんに備える

AFTは、刃が材料に挟まるなどして本体が跳ね返る「キックバック」に備える機能です。回転数の急な低下を検知すると、モーターを止めます。キックバックそのものを防ぐものではありませんが、起きたときの反動を小さくできます。
APTは、水や粉じんの影響を受けにくくするマキタの防滴・防じん構造。石こうボードやサイディングの粉が舞う現場で使う丸ノコなので、本体側の備えが増えたのは実用的な改良です。ただし、水や粉じんで壊れないことまでは保証されていません。
マキタは、この2つをKS515D/KS516Dで新しく搭載した機能としています。先代のKS513D/KS514Dの公式の仕様や特長には、どちらも記載がありません。
無線連動で、集じん機のスイッチを入れに行かなくていい

本体に別売のワイヤレスユニットを付けて、無線連動に対応した集じん機と登録しておけば、丸ノコのスイッチを入れたときに集じん機も動き出します。集じん機とはホースをつなぐだけで済みます。
無線連動はKS515DとKS516Dの両方に付いています。ダストボックス仕様のKS515Dでも、集じん機につないで連動させられます。

重心が刃に近く、ベースを水平に保ちやすい

マキタは「精度が高まる最適バランス」として、モーターとバッテリの位置を工夫し、ベースをほぼ水平に保持できるようにしたと紹介しています。ベースが傾きにくければ、墨線に沿ってまっすぐ送りやすくなります。

騒音を実測:96dB。先代KS514Dより2dB大きい
騒音は、騒音計を本体のすぐそばに置き、刃を空回しした状態でKS516Dを測りました(KS515Dも中身は同じ)。どの機種も同じやり方で測っているので、機種どうしの比較に使えます。

96dBは、同じマキタ18V・125mmのHS475D(97dB)とほぼ同じ音量です。
先代KS514Dの94dBと比べると、2dB大きくなりました。
KS515D/KS516Dを選ぶときに確認したい3つのポイント
音の大きさと静音モードについて
静音モードは無く、音を下げたいときに切り替える手段はありません。周りへの音が気になる場所では、使う時間帯を選ぶことになります。
屋外や日中の作業でも、周りへの音には注意が必要です。周りへの音を気にしなくてよい作業場なら、この点は選ぶときの大きな制約にはなりません。
のこ刃は別途用意

KS516DZの箱に入っていたのは、本体・取扱説明書・平行定規のみ。のこ刃は付いておらず、セット品も含めて全品番で別売です。
切る材料がサイディングか石こうボードかで刃を選ぶ機種なので、最初から自分で選べるとも言えます。手持ちの125mmの刃が使える場合は、刃を買い足す費用はかかりません。
本体のみの品番は、バッテリと充電器を別途用意
| 型式 | 内容 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|
| KS515DRGX | ダストボックス仕様・セット | 113,400円 |
| KS515DZ | ダストボックス仕様・本体のみ | 54,600円 |
| KS516DRGX | ダストカバー仕様・セット | 111,200円 |
| KS516DZ今回購入 | ダストカバー仕様・本体のみ | 52,400円 |
※セット品に付くのは、バッテリ BL1860B×2・充電器 DC18RF・ケースです。

セット品と本体のみの差額58,800円(どちらの機種も同じ)は、6.0Ahのバッテリ2個・充電器DC18RF・ケースのぶんです。
マキタの18Vバッテリと充電器を持っている人なら、本体のみで始められます(先代との価格差は、あとの比較で紹介します)。
他の防じんマルノコと比較
KS513D/KS514D(マキタ 18V):価格を抑えたい場合
| 項目 | マキタ KS513D ![]() |
マキタ KS514D ![]() |
マキタ KS515D ![]() |
マキタ KS516D ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 回転数 | 5,000min⁻¹ (自動変速) |
5,000min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
| AFT・APT | 公式未記載 | 公式未記載 | あり | あり |
| 騒音 | ─ | 94dB | ─ | 96dB |
| 質量 | 2.8kg | 2.8kg | 2.8kg | 2.7kg |
| 本体のみの価格 | 46,000円 | 43,800円 | 54,600円 | 52,400円 |
切込みの深さと、ダストボックスかダストカバーかの選び方は同じです。
KS515D/KS516Dは回転数が400min⁻¹高く、AFT・APTの公式の記載があります。KS513D/KS514Dは空回しの実測値が2dB小さく、本体のみの価格は8,600円安くなります。
KS001G/KS002G(マキタ 40Vmax):静音モードを使いたい場合
| 項目 | マキタ KS001G ![]() |
マキタ KS002G ![]() |
マキタ KS515D ![]() |
マキタ KS516D ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 40Vmax | 40Vmax | 18V | 18V |
| 回転数 | 7,500/5,000min⁻¹ | 7,500/5,000min⁻¹ | 5,400min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
| 騒音 (通常/静音) |
97dB/92dB | ─ | ─ | 96dB/ー |
| 防じん・防滴 | APT+IP56 | APT+IP56 | APT | APT |
| 質量 | 2.8kg | 2.9kg | 2.8kg | 2.7kg |
| 本体のみの価格 | 55,600円 | 57,800円 | 54,600円 | 52,400円 |
※KS001G/KS002Gの回転数は、スピード/静音エコの順です。
同じマキタの防じんマルノコで、40Vmaxのバッテリを使う機種です。KS001Gがダストカバー、KS002Gがダストボックスで、組み合わせはKS515D/KS516Dと逆になります。
スピードモードの回転数は7,500min⁻¹。静音エコモードにすると、回転数は5,000min⁻¹になり、空回しの実測値は92dBまで下がります。
音を下げるモードが必要ならKS001G/KS002G。不要なら、KS515D/KS516Dのほうがマキタ18Vのバッテリで使え、本体のみの価格も同じ集じん方式どうしで3,200円安くなります。
C3605DYB/C3605DYC(HiKOKI 36V):HiKOKIのバッテリで揃える場合
| 項目 | HiKOKI C3605DYB ![]() |
HiKOKI C3605DYC ![]() |
マキタ KS515D ![]() |
マキタ KS516D ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 36V (マルチボルト) |
36V (マルチボルト) |
18V | 18V |
| のこ刃径 | 125/100mm兼用 | 125/100mm兼用 | 125mm | 125mm |
| 回転数 | 7,000/3,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ | 5,400min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
| 騒音 (通常/静音) |
100dB/92dB | ─ | ─ | 96dB/ー |
| 質量 | 3.0kg | 2.9kg | 2.8kg | 2.7kg |
| 本体のみの価格 | 53,300円 | 50,700円 | 54,600円 | 52,400円 |
※C3605DYB/C3605DYCの回転数は、パワー/サイレントの順です。
HiKOKIの36V防じん丸のこで、C3605DYBがダストボックス、C3605DYCがコレクトカバー(集じん機接続専用)の仕様。のこ刃が別売なのもKS515D/KS516Dと同じです。
パワーモードは実測100dBとKS516Dより大きい一方、サイレントモードでは92dBまで下がります。100mmの刃も使えます。
違いは、使うバッテリの系統(マキタ18V/HiKOKIマルチボルト)と、音を下げるモードの有無が中心です。HiKOKIのバッテリを持っていて音を下げるモードも欲しいならC3605DYB/C3605DYCが候補で、重さ・価格・刃径も比べて選んでください。
電動工具なびの見解

マキタ18Vのバッテリを持っていて、サイディングや石こうボードを集じんしながら切る丸ノコをこれから1台買うなら、KS515D/KS516Dは候補になります。
AFTとAPTを備え、回転数も5,400min⁻¹に上がったことが、この機種の大きな特徴です。粉じんの多い現場で長く使う道具ほど、本体の防滴・防じんとキックバック時の備えが生きます。
一方、静音モードはありません。価格を抑えたい場合は先代のKS513D/KS514D、音を下げるモードが必要な場合は40VmaxのKS001G/KS002Gと、価格や音の違いを比べて選んでください。先代のKS514Dは、空回しの実測値も本機より2dB小さい値でした。









