今回ご紹介するのはマキタ10.8V充電式マルノコ『HS300D』。
刃径85mmと丸ノコの中で最小クラスの機種で、バッテリ込みで1.4kgという軽さが最大の特徴。
一般的な18V・125mm機(2.7kg前後)の約半分、インパクトドライバをひと回り大きくした程度のサイズ感で、「丸ノコはちょっと怖い」という方にもおすすめの1台♪

騒音は実測91dBで同クラス最静音。二段操作の安全機構も備えており、不意な動作を防いでくれます。
ただし最大切込深さは25.5mmで、2×4材の切断はできません。合板や1×材中心の軽いDIYに特化した機種、という位置づけ。
今回はそんな『HS300D』を実際に使いながらレビューしていきます。
- HS300Dのラインナップと価格(バッテリ付属問題も解説)
- 基本スペックと各部の特徴
- 実際に使ってみた使い勝手(重さ・音・操作性)
- 他機種(HS301D・HS474D・M565)との比較
- メリット・デメリットとQ&A
- 「買い替え・乗り換え」すべきか判定
こんな方にオススメ♪
- 大型の丸ノコに恐怖心があり、最初の1台で挫折したくないDIY初心者の方。
- 合板・ベニヤ・1×材(ワンバイ材)中心の軽い木工DIYをしている方。
- 集合住宅や住宅街で、なるべく静かに作業したい方。
- すでにマキタ10.8V差込式バッテリを持っていて工具を追加したい方。
別の機種が良さそうな方
- 2×4(ツーバイフォー)など構造材を切断したい方。
⇒ マキタ18V・125mm「HS474D」 - 将来的にマキタの主力バッテリ系統で揃えたい方。
⇒ 10.8Vスライド式「HS301D」または18V以上の機種 - すでに18Vバッテリを持っている方。
⇒ 同電圧の18V系丸ノコ
ラインナップと価格

HS300Dは「本体のみ」と「フルセット」の2展開です。
| 型番 | 内容 | 定価(税別) | 実勢価格 |
|---|---|---|---|
| HS300DZ | 本体のみ(チップソー・六角棒スパナ付) | ¥14,100 | ¥10,000前後 |
| HS300DWバッテリ付 | 本体+バッテリ+充電器+チップソー+六角棒スパナ | ¥25,500 | ¥17,000〜18,000 |

HS300DZは本体のみのセット。
すでにマキタ10.8V差込式バッテリ(BL1013またはBL1015K)と充電器DC10WAをお持ちならこちら。

HS300DWはバッテリ・充電器込みのフルセット。
10.8V差込式工具を初めて購入する方はこちらを選んでください。
取扱説明書(最新版)ではHS300DWの標準付属バッテリはBL1015K(1.5Ah)と記載されています。ただし、Amazon・楽天などで現在流通しているHS300DWのほとんどは旧型のBL1013(1.3Ah)付属品です。容量差は約15%(1.3Ah→1.5Ah)で、本体・充電器との互換性は共通。BL1013は現行品として純正部品入手も可能なので実害は少ないですが、購入前に商品ページのバッテリ型番を確認しておきましょう。
外観とスペック
基本スペック

| 電動機 | 直流マグネットモータ |
|---|---|
| バッテリ | BL1015K(1.5Ah)※取説記載 |
| 電圧 | 直流10.8V |
| 回転数 | 1,400 min⁻¹ |
| ノコ刃寸法 | 外径85mm × 内径20mm |
| 最大切込深さ | 25.5mm(0°)/16.5mm(45°) |
| 傾斜切断 | 0°〜45° |
| 本体寸法 | 長さ300mm × 幅170mm × 高さ154mm |
| 質量(バッテリ含む) | 1.4kg |
| 充電器 | DC10WA(充電時間 約55分) |
| 1充電あたりの作業量 | SPF 1"×4" 約100本(BL1015K)/約90本(BL1013) |
10.8Vという電圧で「パワー大丈夫?」と心配になる方もいると思いますが、対象材料(合板〜1×材)の範囲に限れば十分な性能です。
回転数1,400 min⁻¹は125mm以上の機種(5,000〜5,500 min⁻¹)と比べて低めですが、刃径が小さい分、切断抵抗も少ない仕組みになっています。
鉄板ベース

HS300Dのベース(材料に接する底板)は鉄板製です。
同クラスの軽量丸ノコにはアルミベース採用機も多く、アルミの方が平面精度や定規への滑らかさ、防錆性では有利です。
鉄板ベースは価格を抑えやすい反面、長期使用では塗装が剥がれてサビが出ることもあるため、使用後は状態を確認しておくと安心です。
コスト優先の設計として割り切れるなら問題ない仕様ですが、精度重視の方にとっては正直マイナスポイントになりえます‧‧‧
ブロワ機能

切断中に出る切粉を、ブロワがカットライン上から吹き飛ばす機能です。
墨線が常に見えた状態で作業を進められるため、まっすぐ切る精度が出やすい。
85mm小型機にこの機能が搭載されているのは実用上かなりありがたいです。
0〜45°傾斜切断
ベース横の角度調整板を緩めることで、0°から45°まで傾斜切断が可能。
額縁の留め継ぎや棚板の面取り風加工など、簡単な角度カットに対応します。
集塵接続(別売アダプタ)

ダストノズルA‑51817(別売)を使えば、集塵機のカフス22(径22mm)に接続して切粉を吸いながら作業できます。
室内作業や切粉をなるべく出したくない場面で有効。標準セットには含まれないため、必要な方は別途購入してください。
実際に使ってみる
軽さ・取り回し

当ブログ実測では1,496g。公式値1.4kgとほぼ同じ。
18V・125mm機(2.7kg前後)の半分以下、インパクトドライバを少し大きくした程度の重さで片手で軽々持ち上げられるので、「振り回されそうな怖さ」がかなり軽減されます。
長時間の作業や連続切断でも腕への負担は少ないです♪
騒音・静音性
実測で91dB。同クラスの125mm機(約97dB)より6dB、165mm機(約99dB)より8dB低い水準です。
集合住宅・住宅街での作業、夜間作業前の昼間帯に限定して使いたい方にとっては大きなメリット。
とはいえ91dBは決して「静か」ではないので、使用時間帯への配慮は必要です。
| 機種 | 騒音値(無負荷) | HS300D比 |
|---|---|---|
| HS300D | 91dB | — |
| HS301D | 90dB | −1dB |
| HS475D(18V/125mm) | 97dB | +6dB |
| HS631D(18V/165mm) | 99dB | +8dB |
| M565(AC/165mm) | 99dB | +8dB |
安全機構(ロックオフレバー)
スイッチレバー(トリガー)を引くだけでは起動せず、ロックオフレバーを押しながらトリガーを引く二段操作が必要です。
なので物を持ち運ぶ際にうっかりトリガーに触れても回り出すことがなく、初心者の方でも安心感。
切断性能と実用域

合板・ベニヤ(〜12mm)や1×材(19mm)は快適にカットできます。集成材・パイン材(〜18mm)も問題なし。
ただし硬質集成材や20mm前後の硬い材料では進行が遅くなり、バッテリの消耗も早まります。
| 材料 | 厚さ | 評価 |
|---|---|---|
| 合板・ベニヤ | 〜12mm | ◎ 快適 |
| ワンバイ材(1×4等) | 19mm | ○ 問題なし |
| 集成材・パイン材 | 〜18mm | ○ 問題なし |
| 硬質集成材 | 20mm前後 | △ 進行が遅くなる |
| ツーバイ材(2×4) | 38mm | ✕ 切込深さ不足で不可 |
2×4材は最大切込深さ25.5mmに対して38mm厚があるため、物理的に一発切りは不可。
「表裏から2回入れる」方法もありますが、切断面がズレやすく非推奨。2×4材を扱う予定があるなら、最初から刃径125mm以上(HS474Dなど)を選ぶべきです。
他機種との比較
HS301Dとの比較
| 項目 | HS300D | HS301D | HS474D | M565 |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 10.8V差込式 | 10.8Vスライド式 | 18V | AC100V |
| 刃径 | 85mm | 85mm | 125mm | 165mm |
| 最大切込(90°) | 25.5mm | 25.5mm | 47mm | 57mm |
| 最大切込(45°) | 16.5mm | 16.5mm | 30mm | 38mm |
| 回転数 | 1,400 min⁻¹ | 1,500 min⁻¹ | 5,400 min⁻¹ | 5,500 min⁻¹ |
| 質量 | 1.4kg | 1.5kg | 2.7kg | 3.0kg |
| 騒音(実測) | 91dB | 90dB | 97dB | 99dB |
| 2×4切断 | ✕ | ✕ | ○ | ○ |
本体性能はほぼ同等(切込深さ・騒音・重さすべて同クラス)で、違いはバッテリ方式のみ。差込式(旧規格)を使うならHS300D、スライド式(現行主流)を使うならHS301D、という選び方でOK。
新規でマキタを始める方はスライド式のHS301Dの方が将来的なバッテリ資産を作りやすい。
10.8V差込式バッテリをすでに複数持っている方なら、HS300DZで追加コストを最小化できます。
HS474D・M565との比較
HS474D(18V・125mm)はHS300Dより1クラス上の機種で、2×4材も一発カット可能。本格的なDIYを考えているなら最初からこちらを選ぶ方が後悔しないと思います。
M565(AC100V・165mm)はコードレスでないぶん価格は安いですが、コードの取り回しと3kgの重量が初心者には負担になりやすいです。
メリット・デメリット
✅ メリット
❌ デメリット
Q&A
購入判定
まとめ

ということで今回はマキタ10.8V充電式マルノコ『HS300D』をレビューしました。
軽量1.4kg・静音91dB・二段安全機構という3点によって、DIY初心者が感じる「丸ノコは怖い」という心理的ハードルを大きく下げてくれる1台です。合板・ベニヤ・1×材の軽いDIY、小物木工、リフォームの軽作業には十分対応できます。
一方で、2×4などの構造材は切込深さ・パワーともに不足。
すでに10.8V差込式バッテリをお持ちならHS300DZ(実売¥10,000前後)、新規導入ならHS300DW(¥17,000〜18,000)が選択肢です。
購入時はバッテリ型番(BL1013かBL1015K)の確認をお忘れなく♪