2020年7月に発売された「HS007G」「HS008G」は、マキタ40Vmax(XGT)・125mm丸ノコの標準機です。
本体のみのHS008GZを購入し、騒音を測りました。同じ40Vmax・125mmで際切りベースのHS006Gと、18VのHS475Dとも比べながら紹介します。HS007GとHS008Gは無線連動の対応と、本体色・価格が違う兄弟機なので、この記事で2機種まとめて扱います。

HS007G/HS008Gのスペック

| 項目 | マキタ HS007G ![]() |
マキタ HS008G ![]() |
|---|---|---|
| 電源 | 40Vmax | 40Vmax |
| のこ刃径 | 125mm | 125mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm |
| 傾斜切断 | 左5°で40mm | 左5°で40mm |
| ベース | 一般ベース (一体式) |
一般ベース (一体式) |
| 回転数 (スピード/仕上げ) |
6,000/4,500min⁻¹ | 6,000/4,500min⁻¹ |
| 質量 | 2.7kg | 2.7kg |
| 防じん・防水 | APT+IP56 | APT+IP56 |
| 無線連動 | 非対応 | 対応 |
| 騒音 (実測・通常/仕上げ) |
─ | 100dB/94dB |
| 本体のみの価格 (税別) |
42,800円 | 44,400円 |
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- スピード6,000/仕上げ4,500min⁻¹の2モードを、ボタン1つで切り替えられる
- 仕上げモードにすると、実測値が100dBから94dBへ6dB下がる
- 傾斜は左5°までだが、そのとき40mmまで切り込める
- APTに加えて、本体とバッテリーの両方が防じん・防水IP56
- 無線連動なしのHS007GZは42,800円で、際切りベースのHS005GZより1,600円安い
デメリット
- 際切りベースではないので、壁ぎわの床を切る際切りはできない
- 45°の切込みは30mmで、2×4材(厚さ38mm)を斜めに切り落とせない
- 無線連動(HS008G)に使うワイヤレスユニットと対応の集じん機は別途用意
- 40Vmaxバッテリー専用で、18Vのバッテリーは使えない
HS007GとHS008Gの違いは、無線連動に対応するかどうか

HS007GとHS008Gは、ベース・切込み深さ・回転数・モード・質量・付属のチップソーまで同じ。違うのは次の3点です。
| 項目 | マキタ HS007G ![]() |
マキタ HS008G ![]() |
|---|---|---|
| AWS無線連動 (ユニット別売) |
非対応 | 対応 |
| 本体色 | 青 黒 |
青のみ |
| 本体のみの価格 | 42,800円 | 44,400円 |
| セット品の価格 | 102,200円 | 103,800円 |
無線連動は、丸ノコのスイッチを入れると、Bluetoothでつないだ集じん機も一緒に動き出す機能です。HS008Gには、上の写真のように無線連動のスイッチが付いています。

使うには、別売のワイヤレスユニットを本体に付けたうえで、無線連動に対応した集じん機を用意する必要があります。HS008Gを買っただけでは連動しません。
無線連動に対応するのはHS008G。HS007Gは本体のみでもセットでも1,600円安く、本体色は青と黒から選べます。
HS007G/HS008Gの4つの特徴
- スピードと仕上げ、2つのモードを切り替えられる
- メラピ材の切断スピードは、同社の125mm AC機の約2倍
- 段差のない一体式のベースと、高剛性のデプスガイド
- APTに加えて、本体もバッテリーも防じん・防水IP56
スピードと仕上げ、2つのモードを切り替えられる

本体の上にあるモード切替ボタンを押すと、スピードモードと仕上げモードが切り替わります。いまどちらのモードかは、ボタン横のランプで分かります。
| モード | 回転数 | 回り方 | 向いている作業 |
|---|---|---|---|
| スピード | 6,000min⁻¹ | 負荷に応じて自動で変速 | 床合板など長い材料を速く切る |
| 仕上げ | 4,500min⁻¹ | 回転数を一定に保つ(定回転制御) | 化粧材など、切り口を見せたいとき |
スピードモードは、負荷が軽いときは高速で回り、重くなるとトルクを優先する「自動変速」です。仕上げモードは回転数を4,500min⁻¹に抑え、負荷がかかっても回転が落ちにくいように制御します。

メラピ材の切断スピードは、同社の125mm AC機の約2倍

厚さ45mm・幅300mmのメラピ材を切断したスピードは、同社の125mmのコード式(AC電源)を100とした比較値で、18Vの従来機が120、HS005G/HS006G/HS007G/HS008Gが200。コード式の約2倍です。
この条件では、グラフにある18Vの従来機の約1.7倍ですが、グラフに18V機の品番は書かれていません。別の材料を切ったときや、HS474D/HS475Dと比べたときも、同じ差になるとは限りません。
なお、HS005G/HS006Gも同じグラフに載っていて、このメラピ材の試験では4機種とも同じ数値です。
段差のない一体式のベースと、高剛性のデプスガイド

HS007G/HS008Gのベースは、アルミの板1枚でできた一体式。マキタはこれを「一般ベース」と呼んでいて、取り外すサブベースはありません。
材料に当たる面に段差がないので、定規や墨線に沿って送るときに、ベースの段差が材料の角に引っかかる心配がありません。際切りをせず、まっすぐ切る作業が中心なら、候補になる形です。

切込み深さを決めるデプスガイドには、マキタが「高剛性デプスガイド」と呼ぶ金属製の部品を採用。深さを変えるときの上げ下げと、決めた深さでの固定を受け持ちます。ベースと刃の平行がずれたときに直せる平行度微調整機構も付いています。
APTに加えて、本体もバッテリーも防じん・防水IP56

HS007G/HS008Gは、防じん・防滴の構造APTに加えて、本体とバッテリーの両方に防じん・防水の保護等級IP56を備え、粉じんや水の影響を受けにくい設計です。
雨が降り出しそうな屋外の現場や、切り粉の多い現場で使うなら、安心材料になります。ただし、マキタは故障しないことまでは保証していません。
騒音を実測:スピード100dB、仕上げ94dB
騒音は、本体のすぐそばに騒音計を置き、刃を空回しした状態でHS008Gを測りました。どの機種も同じやり方で測っているので、機種どうしの比較に使えます。

スピードモードの100dBは、18VのHS475D(97dB)より3dB大きく、同じ125mmの36V機C3605DA(SK)と同じ値です。
仕上げモードに切り替えると、実測値は94dBまで下がりました。スピードから6dB下がり、HS006Gの仕上げモード(95dB)との差は1dBです。どちらも空回しの値で、木材を切っているときの音ではありません。
HS007G/HS008Gを選ぶときに確認したい3つのポイント
45°の切込み深さについて
45°に傾けたときの切込み深さは30mm。2×4材の厚さは38mmなので、45°の斜め切りでは1回で切り落とせません。90°なら47mmまで切れ、2×4材の直角切りは問題ありません。
45°で46mmまで切れる165mmクラスなら、2×4材も斜めに1回で切り落とせます。合板・ボード・1×4材が中心で、45°で切る材料も厚さ30mm以内なら、この点は気にしなくて大丈夫です。たまにでも2×4材を45°で切るなら、165mmクラスも比べておきたいところです。
無線連動と集じんに使う品は別途用意

HS008Gの無線連動を使うには、ワイヤレスユニットと、無線連動に対応した集じん機が別に要ります。
さらに、HS007G・HS008Gとも、集じん機のホースをつなぐアダプタは標準では付いてきません。付属するのは鮫肌プレミアムホワイトチップソー(A-67175)と六角棒スパナ5だけなので、上の写真では、別売のアダプタと集じんホースの間に接続部品の「カフス22」を使っています。

集じん機を持っていなければ、HS008Gで連動まで揃えるのに、本体とは別の費用がかかります。集じん機を使わず、切り粉を外に飛ばしながら使うなら、HS007GとHS008Gの違いである無線連動の出番はありません。
40Vmaxバッテリー専用、本体のみはケースも別途用意
| 型式 | 内容 | 本体色 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|---|
| HS007GRDX | 電池2個・充電器・ケース付き | 青 | 102,200円 |
| HS007GRDXB | 同上 | 黒 | 102,200円 |
| HS007GZ | 本体のみ | 青 | 42,800円 |
| HS007GZB | 本体のみ | 黒 | 42,800円 |
| HS008GRDX | 電池2個・充電器・ケース付き | 青 | 103,800円 |
| HS008GZ今回購入 | 本体のみ | 青 | 44,400円 |
※セット品に付くのは、バッテリ BL4025×2・充電器 DC40RA・ケースです。
HS007G/HS008Gは40Vmaxのバッテリー専用で、18Vのバッテリーは使えません。40Vmaxのバッテリーを1つも持っていない場合、バッテリーと充電器が付くセット品は10万円を超えます。本体のみとの差は、どちらの機種も59,400円。

本体のみのHS008GZを開けると、入っていたのは本体(鮫肌チップソーを取り付けた状態)と取扱説明書だけでした。バッテリーと充電器に加えて、ケースも付きません。現場に持ち出すなら、手持ちの収納用品を使うか、ケースを別に用意するかを考えておきたいところです。
他の丸ノコと比較
HS005G/HS006G(マキタ 40Vmax・際切り):壁ぎわを切る場合
| 項目 | マキタ HS005G ![]() |
マキタ HS006G ![]() |
マキタ HS007G ![]() |
マキタ HS008G ![]() |
|---|---|---|---|---|
| ベース | 際切りベース (別体式) |
際切りベース (別体式) |
一般ベース (一体式) |
一般ベース (一体式) |
| 傾斜切断 | 左15°で20mm | 左15°で20mm | 左5°で40mm | 左5°で40mm |
| 質量 | 2.8kg | 2.8kg | 2.7kg | 2.7kg |
| 騒音 (通常/仕上げ) |
─ | 99dB/95dB | ─ | 100dB/94dB |
| 本体のみの価格 | 44,400円 | 46,000円 | 42,800円 | 44,400円 |
同じ40Vmax・125mmで、モードと切断スピードは同じ。違うのはベースと左傾斜の範囲で、空回しで測った騒音の差は各モードで1dBでした。
HS005G/HS006Gは、別体式の際切りベースで壁ぎわの床を切れて、左に15°まで傾けられます。ただし、傾けたときの切込みは20mmまで。
壁ぎわの際切りや左15°までの傾斜切断が必要ならHS005G/HS006G。不要なら、回転数と90°・45°の切込み深さが同じHS007G/HS008Gのほうが100g軽く、本体のみの価格は1,600円安く済みます(無線連動の有無をそろえて、HS005GとHS007G、HS006GとHS008Gで比べた場合)。無線連動の有無は、どちらも末尾が偶数の品番(HS006G・HS008G)だけが対応しています。
HS474D/HS475D(マキタ 18V):18Vバッテリーを持っている場合
| 項目 | マキタ HS474D ![]() |
マキタ HS475D ![]() |
マキタ HS007G ![]() |
マキタ HS008G ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 18V | 18V | 40Vmax | 40Vmax |
| 回転数 | 5,400min⁻¹ | 5,400min⁻¹ | 6,000/4,500min⁻¹ | 6,000/4,500min⁻¹ |
| 傾斜切断 | 左15°で20mm | 左15°で20mm | 左5°で40mm | 左5°で40mm |
| 質量 | 2.7kg | 2.7kg | 2.7kg | 2.7kg |
| 防じん・防水 | APT | APT | APT+IP56 | APT+IP56 |
| 騒音 (実測) |
─ | 97dB | ─ | 100dB/ 仕上げ94dB |
| 本体のみの価格 | 45,900円 | 47,500円 | 42,800円 | 44,400円 |
※HS007G/HS008Gの回転数は、スピード/仕上げの2モードです。
マキタの18V・125mmの機種で、質量は同じ2.7kg。本体のみの価格は、無線連動の有無をそろえて比べると(HS474DとHS007G、HS475DとHS008G)、40Vmaxの2機種のほうが3,100円安くなります。
40Vmaxの2機種は、スピードモードの回転数が600min⁻¹高いほか、仕上げモード(4,500min⁻¹)とIP56を備えています。一方、HS474D/HS475Dは通常の音が実測で3dB小さく、左15°まで傾けられ、18Vのバッテリーで動きます。
C3605DA(SK)(HiKOKI 36V):HiKOKIのマルチボルトを持っている場合
| 項目 | HiKOKI C3605DA(SK) ![]() |
マキタ HS007G ![]() |
マキタ HS008G ![]() |
|---|---|---|---|
| 電源 | 36V (マルチボルト) |
40Vmax | 40Vmax |
| モード | パワー/サイレント | スピード/仕上げ | スピード/仕上げ |
| 回転数 | 7,000/3,500min⁻¹ | 6,000/4,500min⁻¹ | 6,000/4,500min⁻¹ |
| 傾斜切断 | 左への傾斜は非対応 | 左5°で40mm | 左5°で40mm |
| 質量 | 2.7kg (蓄電池装着時) |
2.7kg | 2.7kg |
| 付属のチップソー | 黒鯱 | 鮫肌 | 鮫肌 |
| 騒音 (実測) |
100dB/ サイレント93dB |
─ | 100dB/ 仕上げ94dB |
| 本体のみの価格 | 42,800円 | 42,800円 | 44,400円 |
HiKOKIのマルチボルト・125mmの機種で、質量と通常モードの騒音は同じ。本体のみの価格も、C3605DA(SK)(NN)とHS007GZは同じ42,800円です(HS008GZより1,600円安い)。
モードの考え方は違い、マキタの仕上げモードは切り口の仕上がりを優先するモード、HiKOKIのサイレントモードは回転数を半分に下げて音を抑えるモードです。実際に測った下がり幅は、C3605DA(SK)の7dBに対して、HS008Gは6dBでした。
いちばんの違いは、マキタの40VmaxかHiKOKIのマルチボルトか、使うバッテリーの系統です。
電動工具なびの見解

マキタ40Vmaxのバッテリーを持っていて、壁ぎわの際切りをしない125mmの丸ノコを探しているなら、HS007G/HS008Gは候補になります。
40Vmaxの125mmのなかで、段差のない一体式のベースを持つのはこの2機種。スピードと仕上げの2モードに加え、本体とバッテリーのIP56も備えています。
一方、45°の切込みは30mmで、2×4材を45°で1回では切り落とせません。2×4材の45°切りが多い場合は165mmクラス、壁ぎわの床を切る場合はHS005G/HS006G、18Vのバッテリーしか持っていない場合はHS474D/HS475Dと、切込み深さや際切り、使う電池の違いを比べて選んでください。







