マキタの14.4V・125mm丸のこ「HS472D」と「HS473D」。壁際を切る際切り、負荷に合わせた自動変速、材料に当てるベースの一部を外せるアルミサブベースといった特長は、18VのHS474D/HS475Dと同じです。兄弟の2機種の違いは、集じん機との無線連動に対応しているかどうか。
14.4Vの電池のまま、刃を左に傾けて床と壁の境目まで切り込めるのが、この2機種の持ち味。マキタの14.4Vの電池は130モデル以上の製品に共通なので、インパクトドライバなどで使っている電池を丸のこにも回せます。
同じく際切りができるマキタ18VのHS474D/HS475Dや、HiKOKIの18V・14.4V兼用機C1805DBとの違いも紹介します。

HS472D/HS473Dのスペック
| 項目 | マキタ HS472D ![]() |
マキタ HS473D ![]() |
|---|---|---|
| リチウムイオンバッテリ | 14.4V | 14.4V |
| のこ刃径 | 125mm | 125mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm |
| 際切り | 20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
| 傾斜 | 右45°〜左15° | 右45°〜左15° |
| 回転数 (自動変速) |
5,400min⁻¹ | 5,400min⁻¹ |
| 質量 (バッテリ含む) |
2.5kg | 2.6kg |
| 寸法 (長さ×幅×高さ) |
256×166×246mm | 256×166×246mm |
| 1充電の切断量 (BL1460B使用時) |
約280本 | 約280本 |
| 集じん機との無線連動 (ユニット別売) |
─ | 対応 |
| ブレーキ/LED | あり/あり | あり/あり |
| 集じん (ダストノズルは別売) |
集じん機に接続 | 集じん機に接続 |
| 標準で付くのこ刃 | 鮫肌 A-67175 | 鮫肌 A-67175 |
| 本体色 | 青 黒 |
青 |
| 本体のみの価格 (税別) |
45,500円 | 47,100円 |
| 電池1個セットの価格 (税別) |
81,900円 | 83,500円 |
※1充電の切断量は、SPF 2×10材を切ったときの本数です。標準で付くのこ刃は、鮫肌プレミアムホワイトチップソー(A-67175)です。
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- 左に15°傾けて、切込み20mmまでの際切りができる
- 押す力に合わせて、回転数を自動で切り替える
- 長さ256mm・幅166mm、質量はバッテリ込みで2.5kg(HS472D)
- バッテリ1個・充電器・ケースが付いたセットも選べる
デメリット
- 際切りのときは、サブベースを外して使う
- 45°の切込みは30mm(2×4材は45°では1回で切り落とせない)
- 平行定規とダストノズルは別売
- セット品に付くバッテリは1個
HS472DとHS473Dの違いは、無線連動に対応しているかどうか
| 項目 | マキタ HS472D ![]() |
マキタ HS473D ![]() |
|---|---|---|
| 集じん機との無線連動 (ユニット別売) |
─ | 対応 |
| 本体色 | 青 黒 |
青 |
| 質量 (バッテリ含む) |
2.5kg | 2.6kg |
| 本体のみの価格 (税別) |
45,500円 | 47,100円 |
| 電池1個セットの価格 (税別) |
81,900円 | 83,500円 |

切込み深さ・回転数・寸法・付いてくるチップソーは同じで、取扱説明書も1冊にまとまっています。違いは、集じん機との無線連動と、選べる本体色です。
無線連動は、丸のこのスイッチを入れると集じん機も動き出し、切ると止まる機能。HS473Dの本体にあるスロットに別売のワイヤレスユニット(A-66151)を差し、無線連動に対応したマキタの集じん機と登録して使います。つながる距離の目安は約10m。HS472Dにはこのスロットがありません。

対応する集じん機と別売のユニットで無線連動させたいならHS473D。無線連動が不要なら、本体のみでもセットでも1,600円安く、黒い本体も選べるHS472Dが候補です。
HS472D/HS473Dの4つの特徴
- 左15°に傾けて、床と壁の境目まで20mm切り込める
- 押す力に合わせて、回転数を自動で切り替える
- アルミサブベースで、付けたままでも段差が小さい
- 長さ256mm・幅166mmの本体に、14.4Vの電池
このほか、LEDライト、ブレーキ、ソフトスタート、バッテリの残りを示す表示も付いています。
左15°に傾けて、床と壁の境目まで20mm切り込める
HS472D/HS473Dは、刃を右に45°まで傾けられるだけでなく、傾斜切替ストッパのレバーを動かすと左にも15°まで傾けられます。サブベースを外してこの角度にし、ベースの先端の右側面を壁に当てれば、床と壁の境目を最大20mmの深さで切り込めます。
取扱説明書での際切りの説明は「フロアなどを壁際ぎりぎりで切断する作業」。フロア材を張り替えるときも、14.4Vの電池のまま壁際の床まで丸のこで切れます。手順は、このあとの「4つのポイント」にまとめました。
押す力に合わせて、回転数を自動で切り替える

動作モードは、回転の速さを重視するハイスピードモードと、刃を回す力を重視する高トルクモードの2つ。切るときの負荷(押す力)を本体が検知して、自動で切り替えます。ボタンで選ぶ作りではありません。
高トルクモードに入るとモードランプが点き、負荷をかけすぎるとランプの点滅で知らせてくれます。
合板と角材を続けて切るような作業でも、回転の調整を本体に任せたまま切り進められます。
アルミサブベースで、付けたままでも段差が小さい

際切りのときに外すサブベースは、アルミ製。取り付けたときの主なベースとの段差が小さくなる作りです。
際切りのために外せる作りですが、普段の切断ではサブベースを付けたまま、段差の小さいベースを材料に当てて切れます。
長さ256mm・幅166mmの本体に、14.4Vの電池
本体の大きさは、長さ256mm・幅166mm・高さ246mm。質量はバッテリを付けた状態で、HS472Dが2.5kg、HS473Dが2.6kgです。
使う電池は、マキタの14.4Vリチウムイオンバッテリ。インパクトドライバや草刈機、ライトなど、同じ電池で動く14.4Vの製品は130モデル以上あります。18VのHS474D/HS475Dとの大きさ・重さの違いは、あとの比較でまとめました。
HS472D/HS473Dを選ぶときに確認したい4つのポイント
際切りは、サブベースを外して左15°に傾けて行う
取扱説明書にある際切りの手順は、次のとおりです。
- 切込みを一番浅くしてから、傾斜切替ストッパのレバーを動かして左15°まで傾ける
- サブベースのツマミネジ(前後2か所)をゆるめて、サブベースを外す
- 材料の厚さに合わせて、切込み深さを調整する(最大20mm)
- ベースの先端の右側と後ろの右側を壁と床に当てる(ベースの後ろの右端は、壁から少し離す)
- 安全カバーのレバーを引いて刃を出し、刃が壁にも床にも触れていないことを確かめてからスイッチを入れる
- 回転が安定したら、ベースの先端を支点にゆっくり下げて床の隅に切り込み、ベースの右側面を壁に沿わせて前へ進める
左に傾けると、刃先がベースの右側面より外に出ます。壁まで切り込まないよう、壁に沿わせる手元には注意が要ります。体は、本体の進行方向に対して左側に置くのが取扱説明書の指定です。
際切りをしない普段の切断では、サブベースを付けたまま使うので、この手順は要りません。
45°の切込み深さは30mm
刃を45°に傾けたときの切込みは30mm。厚さ38mmの2×4材は、45°では1回で切り落とせません。
直角なら47mmまで切れるので、2×4材も1回で切り落とせます。厚さ30mmを超える材料を45°で1回で切りたいなら、45°で46mm切れるHS631Dのような165mmクラスを検討してください。
直角で切る材料が47mm以内、45°で切る材料が30mm以内なら、切込み深さは足ります。
平行定規とダストノズルは別売
付いてくるのは、鮫肌プレミアムホワイトチップソー(A-67175)と六角棒スパナ5の2つ。一定の幅で切るための平行定規は、別売(部品番号 164095-8)で、定規はベースの前にある取り付け口に差し込んで使います。
集じん機につなぐときも、別売のダストノズル(ダストノズルセット品 194202-9)を本体に取り付けます。付けたままだと刃のまわりに切りくずが詰まる場合があるため、集じん機につながないときはダストノズルを外して使います。
墨線に沿って切るのが中心で、切り粉が周りに飛んでもかまわない場所なら、どちらも無しで作業を始められます。
セット品に付くバッテリは1個
| 品番 | 内容 | 本体色 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|---|
| HS472DRG | セット | 青 | 81,900円 |
| HS472DRGB | セット | 黒 | 81,900円 |
| HS472DZ | 本体のみ | 青 | 45,500円 |
| HS472DZB | 本体のみ | 黒 | 45,500円 |
| HS473DRG | セット | 青 | 83,500円 |
| HS473DZ | 本体のみ | 青 | 47,100円 |
※セットの中身は、本体+バッテリBL1460B×1+充電器DC18RF+バッテリカバー+プラスチックケースです。
※どの品番にも鮫肌プレミアムホワイトチップソーと六角棒スパナ5が付きます。
セット品に付くのは、6.0AhのバッテリBL1460Bが1個と、急速充電器DC18RF。1回の充電で切れる量は、SPFの2×10材(38×235mm)で約280本です。
電池1個で切り続けるなら、充電の間は手が止まります。予備のバッテリに替えて続けて切るときも、本体は15分以上休ませるのが取扱説明書の指定。
14.4Vのバッテリと充電器を持っているなら、本体のみの品番も選べます。予備のバッテリで続けて切るときの15分の休止は、本体のみでも同じです。
他の際切り丸のこと比較
際切りができる125mm丸のこは、マキタの18VとHiKOKIにもあります。比べるポイントは、どのメーカーの、どの電圧の電池を使っているかです。
HS474D/HS475D(マキタ 18V):18Vの電池で使う場合
| 項目 | マキタ HS474D ![]() |
マキタ HS475D ![]() |
マキタ HS472D ![]() |
マキタ HS473D ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 18V | 18V | 14.4V | 14.4V |
| 質量 (バッテリ含む) |
2.7kg | 2.7kg | 2.5kg | 2.6kg |
| 幅 | 183mm | 183mm | 166mm | 166mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm | 47/30mm | 47/30mm |
| 際切り | 20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
| 回転数 (自動変速) |
5,400min⁻¹ | 5,400min⁻¹ | 5,400min⁻¹ | 5,400min⁻¹ |
| 1充電の切断量 (6.0Ah・2×10) |
約390本 | 約390本 | 約280本 | 約280本 |
| 集じん機との無線連動 | ─ | 対応 | ─ | 対応 |
| 本体のみの価格 | 45,900円 | 47,500円 | 45,500円 | 47,100円 |
| セットに付くバッテリ | 2個 | 2個 | 1個 | 1個 |
| セットの価格 | 104,700円 | 106,300円 | 81,900円 | 83,500円 |
※価格は税別。無線連動なしはHS472D/HS474D、ありはHS473D/HS475Dの価格です。セットはバッテリ・充電器・ケース付きです。
マキタの18Vで、際切り・自動変速・アルミサブベースといった主な特長が共通する機種です。無線連動に対応するほうが1機種だけという兄弟の分け方も同じ。違うのは電池の電圧と、1充電で切れる本数、本体の幅と重さ、セットに付くバッテリの数です。
無線連動の有無をそろえて比べると、18V機は14.4V機より本体のみで400円高くなります。HS474D/HS475Dは1充電で約110本多く切れ、セットにバッテリが2個付きます。HS472D/HS473Dは幅が17mm狭く、HS472Dなら200g軽い本体です。
C1805DB(HiKOKI 18V・14.4V):HiKOKIの電池で際切りをする場合
| 項目 | HiKOKI C1805DB ![]() |
マキタ HS472D ![]() |
マキタ HS473D ![]() |
|---|---|---|---|
| 電源 | HiKOKI 18V・14.4V |
マキタ14.4V | マキタ14.4V |
| 際切り | 20mm (逆15°) |
20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm | 47/30mm |
| モード | パワー/サイレント | ─ | ─ |
| 回転数 | 6,000/3,000min⁻¹ | 5,400min⁻¹ (自動変速) |
5,400min⁻¹ (自動変速) |
| 質量 | 2.8kg | 2.5kg | 2.6kg |
| 集じん機との無線連動 | ─ | ─ | 対応 |
| 本体のみの価格 | 41,200円 | 45,500円 | 47,100円 |
| 電池・充電器付きセット | なし | あり (バッテリ1個) |
あり (バッテリ1個) |
※価格は税別。C1805DBの回転数はパワー/サイレントの順です。質量は、HS472D/HS473Dがバッテリ含む、C1805DBがBSL36A18X装着・のこ刃除くの値です。
HiKOKIの18Vと14.4Vの電池の両方で動く、125mmの際切り機です。際切りの深さは同じ20mmで、HiKOKIでは傾ける向きを「逆15°」と呼びます。パワーとサイレント(回転3,000min⁻¹)の2つのモードがあり、サイレントモードは負荷がかかると自動でパワーモードに切り替わります。一方、集じん機との無線連動は無く、電池・充電器付きのセットもありません。
C1805DBはサイレントモードがあり、本体のみの価格もHS472DZより4,300円安くなります。HS472D/HS473Dはマキタの14.4Vの電池で動き、HS473Dなら集じん機と無線でつながります。
電動工具なびの見解

マキタ14.4Vのバッテリを使っていて、床と壁の境目を切る作業があるなら、HS472D/HS473Dは候補になります。
14.4Vの電池のまま、左15°・20mmの際切りと、押す力に合わせた自動変速を1台でこなせる。これがこの2機種の一番の特徴です。
HS472DとHS473Dは、集じん機との無線連動を使うかどうかで選べます。どちらもセット品に付くバッテリは1個なので、18Vの電池も使っている場合は、1充電の本数やセットの中身が違うHS474D/HS475Dと比べて選んでください。





