2023年1月に発売された、HiKOKIの36V・165mm丸のこ「C3606DB」。C3606DAの後継で、HiKOKIの165mm丸のこのうち36V側の主力機です。
本体のみの(NN)を購入し、騒音の測定と、スマホアプリとの接続を試しました。同じHiKOKIの18V機C1806DBとも比べながら紹介します。

C3606DBのスペック

| 項目 | HiKOKI C3606DB ![]() |
|---|---|
| 電源 | 36V (マルチボルト) |
| のこ刃径 | 165mm |
| 切込み深さ (90°/45°/逆5°) |
66/46/57mm |
| 回転数 (高回転) |
5,600min⁻¹ |
| 回転数 (仕上げ) |
4,300min⁻¹ |
| 回転数 (サイレント) |
2,000min⁻¹ |
| モード数 | 3 (本体ボタンで切り替え) |
| 質量 | 3.3kg |
| 騒音(実測) (通常/静音) |
102dB/93dB |
| 標準小売価格 (本体・税別) |
50,400円 |
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- 高回転・仕上げ・サイレントの3モードを切り替えられる
- サイレントの回転数を、スマホで3段階に変えられる
- サイレントモードにすると、空回しの実測値が102dBから93dBへ9dB下がる(これまで測った中で、C5YEと並んで最大の下がり幅)
- 本体のみの品番にも、のこ刃とダストアダプタが付いている
デメリット
- 高回転モードの騒音は実測102dB(これまで測った丸のこで同率2番目に大きい)
- 質量は3.3kg(比べるC1806DBの3.2kgより100g重い)
- バッテリーは36Vのマルチボルト専用(18Vバッテリーは使えない)
- 本体のみの品番にはケースが付かず、別途用意が必要
C3606DBの4つの特徴
- 3つのモードで、速さと静かさを切り替えられる
- サイレントの回転数を、スマホで変えられる
- のこ刃とダストアダプタが最初から付いている
- 刃を傾ける部分とベースが頑丈
3つのモードで、速さと静かさを切り替えられる

本体の上にあるMODEボタンを押すと、高回転・仕上げ・サイレントの順にモードが切り替わり、いまどのモードかはボタン横のランプで確認できます。
| モード | 回転数 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 高回転 | 5,600min⁻¹ | とにかく速く切りたいとき |
| 仕上げ | 4,300min⁻¹ | 切り口をきれいにしたいとき |
| サイレント | 2,000min⁻¹ | 音を抑えたいとき |
「仕上げ」の回転数は4,300min⁻¹で、高回転とサイレントの間。切り口をきれいにしたいときに選ぶモードです。
高回転モードの切断スピードは、メーカーの比較で旧型C3606DAの約1.5倍。重い負荷がかかったときも回転を保つ「粘り」は約1.3倍です。外観は旧型とよく似ていますが、切断性能が変わっています。
サイレントの回転数を、スマホで変えられる

C3606DBは、Bluetooth対応のバッテリーを付けると、HiKOKIのスマホアプリとつながります。
実際に接続してみると、サイレントモードの回転数を1,500/2,000/2,500min⁻¹の3段階から選べました。カタログに載っている2,000min⁻¹は、真ん中の初期設定です。

静かさを優先するなら1,500、速さを優先するなら2,500、というように調整できます。ただし、設定ごとの騒音や切断速度は今回測っていません。
アプリでは、スイッチを入れたときの立ち上がりをゆるやかにする「ソフトスタート」を3段階で設定できます。サイレントから仕上げモードへ自動で切り替える設定もあるので、音を優先するなら、この設定も確かめておきましょう。
のこ刃とダストアダプタが最初から付いている

本体のみの(NN)を開けると、入っていたのは本体・取扱説明書・ダストアダプタの3つでした。のこ刃は本体に取り付けた状態で入っています。
付いているのはHiKOKIの「黒鯱(クロシャチ)」チップソー(刃数45)。切り口の仕上がりを重視した刃で、対応するバッテリーと充電器があれば、刃を買い足さずに使い始められます。

ダストアダプタはワンタッチで付け外しでき、付けたまま向きを変えられます。材料の置き方や立ち位置に合わせて、ホースを右に出すか左に出すかを選べます。
同じHiKOKIの丸のこでも、FC1806DAはこのアダプタが別売です。集じん機につないで使うなら、最初から付いているのは地味にありがたいところです。

集じん機を使わない場合は、別売のダストバッグ(コードNo.0033-1725)を付けると、切り粉を袋で受けられます。

集じん機R3640DA(別売)と組み合わせると、丸のこのスイッチを入れた瞬間に集じん機も動き出す「無線連動」が使えます。集じん機のスイッチを入れに戻る手間がなくなります。
刃を傾ける部分とベースが頑丈

刃を傾けるときの支点になる「ベベルピース」は、頑丈なダイカスト製。HiKOKIが「造作丸のこ仕様」と呼んでいる作りです。

刃は45°側だけでなく、反対側に5°(逆5°)も傾けられます。壁ぎわや柱の近くで、刃をわずかに逃がしたいときに使う角度です。

アルミのベースは、裏側にリブ(補強の出っ張り)を設けて耐久性を高めた構造。ベースと刃の平行がずれたときに直せる微調整機構も付いています。

切込み深さを決めるレバーの横には、HiKOKI独自のサブレバー。本締めする前に位置を仮止めできるので、深さを合わせるときに便利です。
騒音を実測:高回転102dB、サイレント93dB
騒音は、騒音計を本体のすぐそばに置き、刃を空回しした状態で測定。どの機種も同じやり方なので、機種どうしの比較に使えます。

高回転モードの102dBは、これまで測った丸のこの中で同率2番目に大きい数字です(最大は、チャートのDM-100の103dB)。
そのかわり、サイレントモードに切り替えると、実測値は93dBまで下がりました。下がり幅は9dBで、実際に測った静音モード付きの丸のこの中では最大です(C5YEと同じ)。C1806DBは99dBから97dBで、2dBしか下がりません。
C3606DBを選ぶときに確認したい3つのポイント
高回転モードの音について
高回転は空回しで102dB、サイレントは93dBでした。音が気になる場所ではサイレントが候補ですが、切断中の音は今回測っていません。
屋外や日中でも、周りへの音が気になる場所では、高回転モードの音に気を付けたいところです。
質量は3.3kg。バッテリーは36Vのマルチボルト専用

3.3kgは、比べるC1806DB(3.2kg)より100g重い数字です。
また、C3606DBは36Vのマルチボルトバッテリー専用で、軽い18Vバッテリーに付け替えて軽くすることはできません。
記載の質量は3.3kgです。持ち上げて切る場面が多いなら、重さを見ておきたい数字です。材料にベースを載せて切る使い方とは分けて考えてください。
本体のみの品番は、ケースを別途用意
| 型式 | バッテリー(2個) | 充電器 | 本体色 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|---|---|
| C3606DB(2XPSZ) | BSL36A18BX | UC18YDL2 | アグレッシブグリーン | 112,000円 |
| C3606DB(2XPSBZ) | BSL36A18BX | UC18YDL2 | ストロングブラック | 112,000円 |
| C3606DB(NN)今回購入 | ─ | ─ | アグレッシブグリーン | 50,400円 |
| C3606DB(NNB) | ─ | ─ | ストロングブラック | 50,400円 |
※セットは、本体・バッテリー2個・充電器にシステムケース4が付きます。(NN)・(NNB)は本体のみです。
セット品は112,000円で、本体のみとの差額61,600円は、Bluetooth対応バッテリー2個・急速充電器・システムケース4のぶんです。
本体のみの(NN)は、バッテリーと充電器に加えてケースも付きません。現場に持ち出すなら、手持ちの収納で足りるか、ケースを別に用意するかも考えておきましょう。
他の丸のこと比較
C1806DB(HiKOKI 18V):普段使いの静かさと軽さを取る場合
| 項目 | HiKOKI C1806DB ![]() |
HiKOKI C3606DB ![]() |
|---|---|---|
| 回転数 | 4,500/2,500min⁻¹ | 5,600/4,300/ 2,000min⁻¹ |
| 騒音 (通常/静音) |
99dB/97dB | 102dB/93dB |
| 質量 | 3.2kg | 3.3kg |
| 使えるバッテリー | マルチボルト・18V | マルチボルトのみ |
| 本体のみの価格 | 46,700円 | 50,400円 |
刃径と切込みの深さは同じです。違うのは、モードの数と音、使えるバッテリー、質量、本体のみの価格。
C3606DBは仕上げモードを持ち、サイレントモードでは93dBまで下がります。C1806DBは通常モードの空回し音がC3606DBの高回転より3dB静かで、100g軽く、18Vバッテリーも使えます。本体のみの価格は3,700円安くなります。
HS610D/HS611D(マキタ 18V):深く切らない場合
| 項目 | マキタ HS610D ![]() |
マキタ HS611D ![]() |
HiKOKI C3606DB ![]() |
|---|---|---|---|
| 切込み深さ (90°/45°) |
57/41mm | 57/41mm | 66/46mm |
| 回転数 | 5,000min⁻¹ (自動変速) |
5,000min⁻¹ (自動変速) |
3モード |
| 質量 | 3.0kg | 3.0kg | 3.3kg |
| 集じんアダプタ | 別売 | 別売 | 標準付属 |
| 本体のみの価格 | 41,500円 | 45,800円 | 50,400円 |
マキタの18V・165mmの主力機。切込みは、90°でC3606DBより9mm、45°では5mm浅い値です。
90°57mm・45°41mmまでを切り、モードの切り替えも不要なら、HS610D/HS611Dは、記載の質量が300g軽く、本体のみの価格も安くなります。
C3605DA(SK)(HiKOKI 36V・125mm):取り回しを優先したい場合
| 項目 | HiKOKI C3605DA(SK) ![]() |
HiKOKI C3606DB ![]() |
|---|---|---|
| のこ刃径 | 125mm | 165mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 66/46mm |
| 質量 | 2.7kg | 3.3kg |
| 本体のみの価格 | 42,800円 | 50,400円 |
同じ36Vのマルチボルトで、刃が小さい125mmの機種です。
90°の切込みは、C3606DBが66mm、C3605DA(SK)が47mmです。47mmまでで足りるなら、C3605DA(SK)は記載の質量が600g軽く、本体のみの価格も7,600円安くなります。
電動工具なびの見解

HiKOKIのマルチボルトバッテリーを持っていて、住宅の中と屋外の両方で丸のこを使うなら、C3606DBは候補になります。
急ぐ現場では高回転、切り口を見せる場所では仕上げ、音を気にする場所ではサイレント。この3つを1台で使い分けられるのは、2026年9月時点のHiKOKIではこの機種だけです。しかもサイレントの回転数はスマホで変えられるので、静かさと速さの配分まで現場に合わせて選べます。
一方、質量は3.3kgで、C1806DBより100g重くなります。モードを切り替える場面が少ない場合は、C1806DBと比べて、モードの数・重さ・音の違いで選んでください。





