マキタの10.8V(スライド式バッテリ)の充電式クリーナー(コードレス掃除機)『CL108FD』を紹介します。2018年8月に発売された、カプセル式の集じんとワンタッチスイッチの3モードを組み合わせた機種です。
マキタの10.8Vスライド式のクリーナーには、トリガスイッチのCL106FD、紙パック式のCL107FD、サイクロン一体式のCL200FDなどがあり、CL108FDはゴミ捨てが楽なカプセル式で、1.5Ahと5.0Ahの電池付きセットから選べるのが立ち位置です。
筆者は本体のみのCL108FDZWを買い、手持ちの10.8Vの電池3種類で重さを量ったり、騒音と吸引力を測ったりしてみました。紙パック式のCL107FD、サイクロン一体式のCL200FD、18VのCL181FD、HiKOKIの10.8V機R12DCとも比べながら紹介します。

CL108FDのスペック
| 項目 | マキタ CL108FD ![]() |
|---|---|
| 電源 | 10.8V (スライド式) |
| 集じん方式 | カプセル式 |
| 集じん容量 | 600mL |
| スイッチ | ワンタッチ (3モード) |
| 吸込仕事率 (パワフル/強/標準) | 30/20/5W |
| 騒音値(公式) (パワフル/強/標準) | 72/70/59dB(A) |
| 使用時間(BL1015) (パワフル/強/標準) | 約10/12/25分 |
| 使用時間(BL1050B) (パワフル/強/標準) | 約33/39/82分 |
| 質量(BL1015) | 1.0kg |
| 質量(BL1050B) | 1.1kg |
| 寸法 (ノズル・パイプ付き) | 956×110×150mm |
| LEDライト | あり |
| 付属のフィルタ | プレフィルタ フィルタ |
| 品番 | 中身 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|
| CL108FDZW | 本体のみ(電池・充電器別売) | 7,700円 |
| CL108FDSHW | BL1015(1.5Ah)×1・充電器DC10SA | 21,000円 |
| CL108FDSTW | BL1050B(5.0Ah)×1・充電器DC10SA | 30,000円 |
質量は電池込み・ノズルとパイプを除いた値です。価格はマキタの標準小売価格(税別・2026年10月時点)で、販売店での実際の価格とは異なります。以前は4.0Ahの電池付きのCL108FDSMWもありましたが、2026年10月時点のマキタの公式サイトには載っていません。
CL108FDはどんな製品?
メリット
- 本体のみなら標準小売価格7,700円(税別)。ワンタッチ3モードのマキタ10.8Vスライド式では、紙パック式のCL107FDより700円安い
- 電池付きのセットを1.5Ahと5.0Ahから選べる。5.0Ahなら標準モードで約1時間22分使える
- カプセルをひねって外すだけでゴミを捨てられ、紙パックを買い足す必要がない
- 実測の重さは1.5Ahの電池を付けて1,040g(ノズル・パイプ無し)。紙パック式のCL107FDより104g軽い
デメリット
- スイッチを入れると必ず強モードから始まり、標準モードにするにはパワフルを通る
- 実測の騒音は標準79dB・パワフル90dB。サイクロン一体式のCL200FD(パワフル82dB)より大きい
- 付属のフィルタは通常品で、汚れたら水洗いか交換の手入れが要る
CL108FDの4つの特徴
- カプセル式で、ゴミ捨ては外して空けるだけ
- ワンタッチスイッチで3つのモードを切り替えられる
- 5.0Ahの電池付きセットがあり、長く使える
- 別売のサイクロンアタッチメントを後から付けられる
カプセルを外して空けるだけでゴミを捨てられる

吸ったゴミは先端側のカプセルの中にたまります。カプセルをひねって外し、中身を空けるだけでゴミ捨てが終わるので、紙パック式のように紙パックを付け替える手間も、買い足す費用もかかりません。カプセルの口にはゴミストッパ付きで、外すときにゴミがこぼれにくい作りです。
ワンタッチスイッチで3つのモードを切り替えられる

スイッチはボタンを押すたびに切り替わるワンタッチ式で、握り続けなくても運転が続くうえ、標準・強・パワフルの3つのモード(吸込仕事率5W・20W・30W)を選べます。普段は標準、ゴミの多い場所だけ強やパワフル、と使い分けられます。
同じ10.8Vでも、トリガスイッチのCL106FDは1モードだけ。強さを切り替えたいなら、ワンタッチ3モードのCL107FD・CL108FD・CL200FDから選ぶことになります。
5.0Ahの電池付きセットがあり、長く使える

CL108FDのセットには5.0Ahの電池BL1050B付きのCL108FDSTWがあり、BL1050Bなら標準モードで約1時間22分、1.5AhのBL1015(約25分)の3倍以上の時間使えます。家じゅうを1回で掃除するならSTW、1部屋だけの掃除やちょっとした片付けならSHWと、使い方で選べます。
BL1050Bは、4.0AhのBL1040Bより約15%軽く作られた電池です(マキタの比較)。ただしBL1050Bは形が違うため、10.8Vの工具の中には取り付けられない機種もあります。ほかの工具と電池を使い回すつもりなら、別の記事で対応機種を確かめてください。
サイクロンアタッチメントを後から付けられる

別売のサイクロンアタッチメント(ロングタイプA-67169・ショートタイプA-72475)を、本体とパイプの間に付けられます。吸ったゴミはアタッチメントのカップにたまり、本体の中まではほとんど入らないので、フィルタが汚れにくくなります。
そのかわり付けた時点で吸引力は下がり、どのくらい下がるかは、このあとの吸引力の実測で紹介します。
CL108FDの実測(重さ・騒音・吸引力)
重さ:1.5Ahの電池で1,040g

キッチンスケールで、電池を付け替えながら量りました。ノズル有りは、ノズルとパイプを付けた状態の値です。
| 付けた電池 | ノズル無し | ノズル有り |
|---|---|---|
| 電池なし | 832g | 約1.0kg |
| BL1015(1.5Ah) | 1,040g | 約1.2kg |
| BL1040B(4.0Ah) | 1,208g | 約1.4kg |
| BL1050B(5.0Ah) | 1,144g | 約1.3kg |
ノズルまで付けて約1.2〜1.4kg。BL1015とBL1040Bでは168gの差があり、付け替えて持ち比べると重さの違いが分かります。長い時間使わないならBL1015、時間を優先するなら4.0Ahより64g軽いBL1050B、という選び方になります。
騒音:標準79dB・パワフル90dB

騒音計を本体のそばに置き、ゴミを吸わない状態で測りました。JISの測定方法とは違う、目安の値です。
実測値は標準モードで79dB、パワフルモードで90dBでした。パワフルの90dBは、これまで測ったマキタ10.8Vスライド式のクリーナー(CL106FD・CL107FD・CL200FD)の中で、CL107FDと並んでいちばん大きい値です。音を抑えたい時間帯や場所で使う場合は、実測のパワフルが82dBだったサイクロン一体式のCL200FDと比べてみてください。
吸引力:サイクロンを付けると標準モード並みに下がる

当ブログで作った吸引力の測定治具で、パイプの先の風速と真空度を測りました。●がサイクロン無し、■がロングタイプ、◆がショートタイプのサイクロン付きで、色は青がパワフル、オレンジが強、緑が標準です。
吸込仕事率は「真空度×風量×0.01666」で計算される値で、風量は風速に比例するので、グラフの右上ほど吸込仕事率が高いことになります。
サイクロンアタッチメントを付けると、パワフルモードでもサイクロン無しの強モードに届かず、標準モードと同じくらいまで下がりました。フィルタの手入れの手間より吸う力を優先するなら、サイクロンは付けずに使うほうが効率よく掃除できます。なお、紙パック式のCL107FDも同じ治具で測っていて、値はほとんど同じでした。
実際に使ってみる
フローリング(紙くず・砂の代わりの重曹)、絨毯(糸)、畳(重曹)、タイルカーペット(紙くず)で使ってみました。普段の床の掃除はストレスなくこなせる一方、18Vや40Vmaxの上位機と比べると吸う力は低めで、部屋の隅やすき間の細かいゴミはもう一つでした。部屋に置いておいてさっと掃除する使い方や、オフィスの簡単な掃除に向いた吸引力です。
CL108FDを選ぶときに確認したい3つのポイント
スイッチを入れると強モードから始まる
スイッチは押すたびに強→パワフル→標準→強…と切り替わり、切る前のモードを覚えておく機能はありません。標準モードで使いたくても、毎回、強とパワフルを通ってから標準になります。
夜や早朝に静かに使い始めたい場合は、使い始めに強モードの音が出る点に注意が必要です。18VのCL284FDのように強さを選んでから運転を始められる機種や、HiKOKIのように強と標準のボタンが分かれている機種もあります。使い始めの音を気にしない使い方なら、この点を気にする必要はありません。
フィルタは水洗いと交換の手入れが要る

カプセルの中には、細かいほこりが本体の奥に入らないようにプレフィルタとフィルタが付いています。プレフィルタは汚れたら水で丸洗い、フィルタは汚れたら新しいものと交換します。フィルタが目詰まりすると空気が通りにくくなり、吸引力が下がります。
交換用のフィルタは10枚入り、プレフィルタは単品で買えます。フィルタは、カプセル式クリーナー用の高機能フィルタEXに替えることもできます。
グリップは樹脂のまま

持ち手には滑り止めのくぼみが少し付いていますが、ゴムは巻かれておらず樹脂のままです。ゴムのグリップと比べるとやや滑りやすいものの、掃除に使っていて困ることはありませんでした。
他のクリーナーと比較
| 項目 | マキタ CL107FD ![]() |
マキタ CL200FD ![]() |
マキタ CL181FD ![]() |
HiKOKI R12DC ![]() |
マキタ CL108FD ![]() |
|---|---|---|---|---|---|
| 電圧 | 10.8V | 10.8V | 18V | 10.8V | 10.8V |
| 集じん方式 | 紙パック | サイクロン一体 | カプセル | カプセル | カプセル |
| 集じん容量 | 330mL (紙パック) | 250mL | 650mL | 560mL | 600mL |
| モードの数 | 3 | 3 | 2 | 3 | 3 |
| 吸込仕事率 (いちばん強いモード) | 32W | 45W | 37W | 30W | 30W |
| 質量(公式) | 1.1kg | 0.81kg (BL1015) | 1.4kg | 1.1kg (2.0Ah) | 1.0kg (BL1015) |
| 質量(実測・BL1015) (ノズル・パイプ無し) | 1,144g | 818g | ─ | ─ | 1,040g |
| 騒音(実測) (標準/パワフル) | 79/90dB | 75/82dB | ─ | ─ | 79/90dB |
| 付属のフィルタ | 紙パック | 高機能 フィルタEX | 高機能 フィルタ | 通常 | 通常 |
| LEDライト | あり | あり | あり | なし | あり |
| 本体のみの価格 (税別) | 8,400円 | 17,200円 | 11,700円 | 9,700円 | 7,700円 |
公式の質量は電池込み・ノズルとパイプを除いた値で、電池の型番が書かれていない機種は電池の記載なしの値です。実測は同じ測り方で測った機種だけに入れています。
CL107FD(マキタ 10.8V):紙パック式で使いたい場合
CL107FDは、CL108FDと同じワンタッチ3モードで、集じんが紙パック式の機種です。吸込仕事率はパワフルで2Wの違いしかなく、同じ治具での吸引力の実測もほとんど同じ、騒音の実測も標準79dB・パワフル90dBで同じ値でした。
違うのはゴミの捨て方と重さ・価格です。紙パック式はゴミに触れずに捨てられますが、紙パックを買い足し続ける必要があります。実測の重さはBL1015を付けてCL107FDが1,144gで、CL108FDのほうが104g軽く、本体のみの価格も700円安くなります。
吸う力と音は同じで、ゴミの捨て方(紙パックかカプセルか)と重さ・価格が違う2台です。
CL200FD(マキタ 10.8V):軽さと静かさを優先する場合
CL200FDは、2025年11月に発売されたマキタ10.8Vのサイクロン一体式です。吸込仕事率はパワフル45Wで、CL108FDの30Wより15W大きい値。実測の重さはBL1015を付けて818gで、CL108FDより222g軽く、騒音の実測もパワフルで82dBとCL108FDより8dB低い値でした。
そのかわり、本体のみの価格は17,200円でCL108FDより9,500円高く、集じん容量は250mLとCL108FDの半分以下です。軽さ・静かさ・吸込仕事率はCL200FDが上回り、価格とゴミをためられる量はCL108FDが上回ります。
CL181FD(マキタ 18V):18Vの電池を持っている場合

CL181FDは、同じワンタッチスイッチとカプセル式で、電圧が18Vの機種です。ノズルは同じものが付いています。

付属のフィルタは、CL181FDが高機能フィルタで、排気がきれいなうえ手入れも楽です。モードはCL181FDが強37W・標準10Wの2つ、CL108FDは30W・20W・5Wの3つで、強さはCL181FDが上、細かく使い分けられるのはCL108FDです。本体のみの価格はCL181FDが11,700円で、CL108FDより4,000円高くなります。
吸込仕事率とフィルタはCL181FD、モードの数と価格はCL108FDが上回ります。10.8Vと18Vのどちらの電池も持っているなら、この違いで比べてください。
R12DC(HiKOKI 10.8V):HiKOKIの10.8Vの電池を持っている場合

R12DCは、HiKOKIの10.8Vのカプセル式で、ワンタッチスイッチの3モードです。いちばん強いモードの吸込仕事率は30WでCL108FDと同じ。ノズルの作りやプレフィルタとフィルタの構成もほとんど変わりません。

違うのはLEDライトの有無と価格です。CL108FDにはLEDライトが付き、暗い部屋や家具の下のゴミが見やすくなりますが、R12DCには付いていません。本体のみの価格はR12DC(NN)が9,700円で、CL108FDより2,000円高くなります。
吸う力と使い方はほぼ同じで、LEDライトと価格の差がある2台です。どちらのメーカーの電池を持っているかで比べてください。
電動工具なびの見解

CL108FDは、マキタ10.8Vの電池でクリーナーを選び、ゴミ捨ての楽さと価格を優先するなら候補になります。カプセル式でゴミ捨てが楽なうえ、3モードとLEDライトが付いて本体のみ7,700円(税別)、電池付きのセットも1.5Ahと5.0Ahから選べます。
一番注意したいのは音で、実測のパワフルは90dB、スイッチを入れると強モードから始まります。静かさや軽さを重視する場合は、サイクロン一体式のCL200FDと、価格と集じん容量の違いを比べて選んでください。







