2021年2月に発売された、HiKOKIの36Vコードレス集じん丸のこ「C3605DYB」と「C3605DYC」。HiKOKIの集じん丸のこの主力で、マキタならKS001G/KS002Gにあたる機種です。
本体のみのC3605DYB(NN)を購入し、騒音を測りました。SPF材も直角に切りましたが、この記事は切断性能の評価ではなく、集じんの使い分けと仕様を中心にお伝えします。別売のコレクトカバーに付け替えて、C3605DYCと同じ形でも使っています。マキタの40Vmax集じん丸のこKS001G、同じHiKOKIの10.8V機C1205DYAとAC機C5YEとも比べながら紹介します。

C3605DYB/C3605DYCのスペック
| 項目 | HiKOKI C3605DYB ![]() |
HiKOKI C3605DYC ![]() |
|---|---|---|
| 電源 | 36V (マルチボルト) |
36V (マルチボルト) |
| のこ刃径 | 125mm (100mmも可) |
125mm (100mmも可) |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm (125mm刃) |
47/30mm (125mm刃) |
| 回転数 (パワー/サイレント) |
7,000/3,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ |
| 集じんの部品 | ダストボックス | コレクトカバー |
| 質量 | 3.0kg | 2.9kg |
| 防じん防滴 | 等級の公表なし | 等級の公表なし |
| 騒音 (実測・通常/静音) |
100dB/92dB | ─ |
| 標準のこ刃 | 別売 | 別売 |
| 本体のみの価格 (税別) |
53,300円 | 50,700円 |
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- DYBはダストボックスだけでも集じんでき、集じん機にもつなげる
- パワー7,000min⁻¹。切断スピードは、旧型C3605DYAの約9.0m/minから約11.0m/minへ約20%アップ
- サイレントの実測値は92dB。これまで測った静音モードの中で最も小さい値(6機種が同じ92dB)
- ダストボックスとコレクトカバーは、後から付け替えられる
デメリット
- のこ刃は別途用意(どの品番にも付かない)。セットのバッテリーは1個
- パワーモードの騒音は実測100dB(これまで測った集じん丸のこでは2番目に大きい)
- 質量はDYBが3.0kg、DYCが2.9kg
C3605DYBとC3605DYCの違い:ダストボックスか、コレクトカバーか

C3605DYBは、刃の上に切粉を溜めるダストボックスが付いています。集じん機が無くても切粉を箱で受けられ、箱の先にホースをつなげば集じん機にも送れます。

一方のC3605DYCは、ダストボックスの代わりにコレクトカバー付き。こちらは集じん機につなぐ専用で、カバー単体では切粉を溜められません。
| 品番 | 集じんの部品 | 内容 | 標準小売価格(税別) |
|---|---|---|---|
| C3605DYB(XPSZ) | ダストボックス | 電池1個・充電器・ケース付き | 97,300円 |
| C3605DYB(NN)今回購入 | ダストボックス | 本体のみ | 53,300円 |
| C3605DYC(XPSZ) | コレクトカバー | 電池1個・充電器・ケース付き | 94,800円 |
| C3605DYC(NN) | コレクトカバー | 本体のみ | 50,700円 |
※(XPSZ)に付くのは、バッテリー BSL36A18BX×1・充電器 UC18YDL2・システムケース4です。
回転数・切込み深さ・モードは、2機種とも同じです。
ダストボックスとコレクトカバーは付け替えができ、実際にDYBに別売のコレクトカバーを付けて、DYCと同じ形でも使っています。最初の選択を間違えても、部品を買い足せばもう一方の使い方ができます。
DYBは集じん機が無くても切粉を箱で受けられ、DYCは本体のみの価格が2,600円安く、100g軽くなります。
C3605DYB/C3605DYCの5つの特徴
- ダストボックスだけで、切粉の約80%を集じんできる
- パワーモードは7,000min⁻¹。旧型より切断スピードが約20%速い
- サイレントモードは、負荷がかかると自動でパワーに切り替わる
- 集じん機とBluetoothで連動できる
- 横に置いたときの傷対策や、刃の平行の微調整まで付いている
ダストボックスだけで、切粉の約80%を集じんできる

集じん率は、C3605DYBがダストボックスだけで約80%、集じん機につなぐと90%以上。C3605DYCは、集じん機につないだ状態で90%以上です。
ダストボックスがあれば、点検口を1か所開けるような短い作業で、集じん機とホースを運び込まずに済みます。ボックスはワンタッチで外せるので、溜まった切粉を捨てるのも手間がかかりません。

コレクトカバー側は凹凸の少ない流路で、石こうボードの紙が詰まりにくくなっています。一日中ボードを切り続ける現場では、詰まりを取る手間を減らせます。
パワーモードは7,000min⁻¹。旧型より切断スピードが約20%速い

パワーモードの回転数は7,000min⁻¹。旧型のC3605DYAと比べて、切断スピードが約9.0m/minから約11.0m/minへ、約20%上がっています。
メーカーの目安では、1回の充電で切れるのは、石こうボードなら約250カット、窯業系サイディングなら約170カット。枚数ではなく、切る回数がこれを超える作業なら、予備のバッテリーを用意しておきたいところです。

サイレントモードは、負荷がかかると自動でパワーに切り替わる

本体の上にあるボタンでサイレントモードに入れると、回転数は3,500min⁻¹に下がり、青いランプが点きます。すぐ上のボタンは、LEDライトの点き方を切り替えるボタンです。

サイレントのまま切っていて負荷が大きくなると、自動でパワーモードに切り替わります。音を抑えたまま切り始めても、固いところで止まってしまう心配が減ります。
騒音がどれだけ下がるかは、次の「騒音を実測」で紹介します。
集じん機とBluetoothで連動できる

Bluetooth対応のバッテリーを付けると、HiKOKIのコードレス集じん機RP3608DB(別売)と無線で連動。丸のこのスイッチを入れると集じん機も動き出すので、集じん機のスイッチを入れに戻る手間がなくなります。
横に置いたときの傷対策や、刃の平行の微調整まで付いている

本体を横に寝かせたとき、床や材料に当たる部分にはソフト材が付いています。仕上がった床やカウンターの上に置いても、傷が付きにくい仕様です。

ベースはアルミで、ベースと刃の平行がずれたときに直せる微調整機構も付いています。

実機で見ると、刃の下を覆うチップソーカバーには金属の補強が入っていました。

刃が挟まって回転数が急に落ちたときにモーターを止める「キックバック軽減システム」と、スイッチを入れたときの立ち上がりをゆるやかにするソフトスタートも入っています。キックバック軽減システムは、HiKOKIも「作業時の状況・条件により作動しない場合がある」としているので、材料の固定と本体の保持は普段どおり必要です。
騒音を実測:パワー100dB、サイレント92dB
測ったのはC3605DYBです。騒音計を本体のすぐそばに置き、刃を空回しした状態で測りました。どの機種も同じやり方なので、機種どうしの比較に使えます。

パワーモードの100dBは、これまで測った集じん丸のこの中では、AC機のC5YE(101dB)に次いで2番目に大きい数字。マキタのKS001Gより3dB大きい値です。
サイレントに切り替えると、実測値は92dBまで下がりました。8dBの下がり幅は、これまで測った静音モード付きの丸のこの中では、C3606DBとC5YEの9dBに次ぐ大きさ。92dBという値も、静音モードの実測値の中では最も小さい値です(KS001Gなど、ほかに5機種が同じ92dB)。
C3605DYB/C3605DYCを選ぶときに確認したい3つのポイント
のこ刃は別途用意。セットのバッテリーは1個

本体のみの(NN)の箱に入っていたのは、本体・取扱説明書・ガイド(平行定規)で、のこ刃はありませんでした。化粧箱にも「のこ刃別売」と印刷されています。
のこ刃は、セット品の(XPSZ)を含めた4品番すべてで別売。同じHiKOKIの36V機でも、C3605DA(SK)やC3606DBには黒鯱チップソーが付いてきます。届いた日から切りたいなら、材料に合う刃も本体と一緒に注文しておきましょう。100mmの刃を付けると、切込みは直角35mm・45°で20mm。125mmの刃より浅くなります。
また、バッテリー2個付きのセットが多い中で、セット品に入るバッテリーは1個です。交換しながら一日使うなら、もう1個を別に用意することになります。
使う材料に合う刃と、必要な数のマルチボルトバッテリーがそろっていれば、(NN)で追加購入を抑えられます。無線連動を使うなら、バッテリーのBluetooth対応も確かめておきましょう。
パワーモードの音について
空回しの実測は、パワー100dB、サイレント92dBでした。ただ、負荷が増えると自動でパワーに戻るので、住宅の中などでは、切断中も92dBが続くとは考えないでください。
屋外や日中の新築現場でも、近隣や周りの人への音の影響は考えておきたいところです。
質量はDYBが3.0kg、DYCが2.9kg
質量はC3605DYBが3.0kg、C3605DYCが2.9kg。
重さが気になりやすいのは、現場内で何度も運んだり、本体を持ち上げて持ち替えたりする作業です。床や作業台の上で切るのが中心の場合は、この重さを気にする必要はあまりありません。
他の集じん丸のこと比較
KS001G/KS002G(マキタ 40Vmax):速さと防じん防滴を重視する場合
| 項目 | マキタ KS001G ![]() |
マキタ KS002G ![]() |
HiKOKI C3605DYB ![]() |
HiKOKI C3605DYC ![]() |
|---|---|---|---|---|
| 最高回転数 | 7,500min⁻¹ | 7,500min⁻¹ | 7,000min⁻¹ | 7,000min⁻¹ |
| 騒音 (通常/静音) |
97dB/92dB | ─ | 100dB/92dB | ─ |
| 質量 | 2.8kg | 2.9kg | 3.0kg | 2.9kg |
| 防じん防滴 | APT+IP56 | APT+IP56 | 等級の公表なし | 等級の公表なし |
| 本体のみの価格 | 55,600円 | 57,800円 | 53,300円 | 50,700円 |
マキタも、ダストボックス付きのKS002Gとダストカバー付きのKS001Gに分かれていて、集じんの部品は別売品で後から付け替えられます。選び方の考え方は同じです。
比べられるのは回転数と音、価格、防じん防滴です。マキタは最高回転数が500min⁻¹高く、通常モードの空回し音は3dB小さいうえ、防じん防滴(APT+IP56)も付いています。切断速度の差までは、この記事では分かりません。ダストボックスの集じん率は、KS002Gが約87%です。
防じん防滴の等級(IP56)が公表されているのはマキタで、HiKOKIは公表していません。C3605DYB/DYCのほうが、本体のみの価格はボックス付きどうしで4,500円、カバー付きどうしで4,900円安くなります。
C1205DYA(HiKOKI 10.8V):軽さと静かさを優先したい場合
| 項目 | HiKOKI C1205DYA ![]() |
HiKOKI C3605DYB ![]() |
|---|---|---|
| 電源 | 10.8V | 36V |
| 回転数 | 4,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ |
| 騒音 (通常) |
89dB | 100dB |
| 質量 | 2.4kg | 3.0kg |
| 標準のこ刃 | 強化石こうボード用 黒鯱が付属 |
別売 |
| 本体のみの価格 | 45,200円 | 53,300円 |
※C3605DYBの回転数は、パワー/サイレントの順です。
同じHiKOKIの集じん丸のこで、切込み深さも同じ47mm。C1205DYAは本体のみでもボード用の刃が付いて、8,100円安く買えます。
C1205DYAは600g軽く、空回し音はC3605DYBのパワー時より11dB、サイレント時より3dB小さい値です。C3605DYBはパワー時の回転数が2,500min⁻¹高くなります。
C5YE(HiKOKI AC100V):バッテリーを持っていない場合
| 項目 | HiKOKI C5YE ![]() |
HiKOKI C3605DYB ![]() |
HiKOKI C3605DYC ![]() |
|---|---|---|---|
| 電源 | AC100V (1,050W) |
36Vバッテリー | 36Vバッテリー |
| 回転数 (パワー/サイレント) |
7,000/3,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ |
| 騒音 (通常/静音) |
101dB/92dB | 100dB/92dB | ─ |
| 質量 | 2.4kg | 3.0kg | 2.9kg |
| 集じん機との無線連動 | なし | あり | あり |
| 価格 | 47,100円 | 53,300円 | 50,700円 |
※C3605DYB/DYCの価格は本体のみです。
C5YEは、同じHiKOKIのコード式の集じん丸のこ。回転数とモードは同じで、ダストボックスとコレクトカバーも共通で付けられます(C5YEの標準はコレクトカバーで、ダストボックスは別売)。
違いは電源で、C5YEはバッテリーが要らず、C3605DYBより600g、C3605DYCより500g軽い一方、コードの届く範囲でしか使えず、集じん機との無線連動もありません。
電動工具なびの見解

HiKOKIのマルチボルトバッテリーを持っていて、石こうボードやサイディングを切る集じん丸のこを探しているなら、C3605DYB/C3605DYCは候補になります。
この機種の良さは、ダストボックスだけで済ませる日と、集じん機につなぐ日の両方に1台で対応できることです。DYBとDYCのどちらを選んでも、部品を買い足せば反対側の使い方に移れます。
一方、のこ刃はどの品番にも付かないため、本体と一緒に別に用意しておきましょう。防じん防滴の等級が必要な場合はマキタのKS001G/KS002Gと、軽さと静かさを重く見る場合はC1205DYAと、違いを比べて選んでください。






