電動ドライバドリル(電ドラ)は、ねじ締めと穴あけの両方に使える、DIYで最初にそろえることの多い電動工具です。棚を作る、家具を組み立てる、壁に下穴をあけるといった作業が、1台でできるようになります。
この記事では、筆者がDIYを始めてからずっと使っているマキタの10.8VドライバドリルDF030Dを例に、買ってすぐ使い始めるための手順と、ねじをまっすぐきれいに締めるコツを紹介します。ほかのメーカーのドライバドリルも、スイッチの名前と使い方はほぼ同じです。
電動ドライバドリルとは
ねじ締めと穴あけができる

先端に付ける「ビット」を替えると、ねじを締めたり、ドリルで穴をあけたりできます。手回しのドライバーでは締めにくい長いねじや、硬い木材への穴あけも、モーターの力で進められます。
各部の名前

- トリガー(引き金):引く量で回転の速さが変わる
- チャック:ビットを差し込んで固定する部分
- 正逆転スイッチ:締める(正転)・緩める(逆転)の切り替え
- 速度切替スイッチ:高速と低速の切り替え
- クラッチリング:締め付ける力の設定
- バッテリー・LEDライト
名前を覚える必要はありません。それぞれのスイッチの使い方は、このあと順番に説明します。
使い始めるまでの手順
① バッテリーを充電する

まずは充電です。本体の下に差さっているバッテリーは、くぼみを指で押さえながら引き抜きます。

バッテリーを充電器に差し込むと、ランプが赤色に点灯して充電が始まり、緑色に変わると充電完了です。筆者の電池では、空の状態から50分ほどで終わりました(いま売られているDF030DWXのセットは、付属の充電器DC10WAで約55分とマキタが公表しています)。充電が終わったら、バッテリーを本体に差し込みます。
充電が始まらないとき
バッテリーを差しても、ランプが緑色や赤色で点滅したままのときは、充電ができていません。次のどれかに当てはまらないかを見てください。
- バッテリーが奥まで差さっていない
- バッテリーや充電器が熱くなっている(屋外の日なたで使った直後など)
- 差し込み口に木くずなどのごみが入っている
② ビットを取り付ける

チャックのリングを指でつまんで引き上げたまま、ビットを六角の穴に差し込み、手を放すとリングが戻ってビットが固定されます。
付けたあとはビットを軽く引っ張って、抜けないかを確かめる癖をつけておくと安心です。しっかり付いていないと、使っている途中でビットが抜けて、けがにつながることがあります。
③ 正逆転スイッチで回転方向を決める

本体の真ん中あたりにある正逆転スイッチで、回転方向を決めます。スイッチには矢印が描かれていて、ねじを締めるときは矢印が先端(ビット側)を向くほう、緩めるときは矢印がお尻側を向くほうを押し込みます。後ろから見て、締めるときは時計回り(正転)、緩めるときは反時計回り(逆転)に回ります。
スイッチがどちらにも押し込まれていない真ん中の位置では、ロックがかかってトリガーを引いても回りません。ビットを替えるときや持ち運ぶときは、この位置にしておくと誤って回る心配がありません。穴あけも、ドリルを正転させてあけます。
④ 速度切替スイッチで高速・低速を選ぶ
本体の上にある速度切替スイッチで、回転の速さを高速と低速の2段階から選びます。DF030Dの回転数は、高速で毎分0〜1,300回、低速で毎分0〜350回。一般に低速は回転が遅いかわりに力が強く、長いねじを締めるときや太い穴をあけるときに使います。速く回したい小ねじや細い穴は高速が向きます。
⑤ トリガーを引く

あとはトリガーを引けば先端が回り、ねじを締めたり穴をあけたりできます。トリガーは引く量で速さが変わり、少し引けばゆっくり、奥まで引けば速く回ります。
ねじをきれいに締める5つのコツ
材料に対してまっすぐ(垂直に)当てる

きれいに締めるための一番の基本です。ねじとドライバドリルが材料に対して垂直になっているかを目で見て確かめてから締めます。ねじが斜めに入ると見た目が悪くなるだけでなく、材料が割れることもあります。
本体を押し付けながら締める

トリガーを引く手と反対の手で本体の後ろを押さえ、ねじに押し付けながら締めます。押し付けが弱いと、回る力に負けてビットが浮き上がり、ねじ頭の十字の溝をつぶしてしまう(なめる)ことがあります。押し付ける力の加減は、5本ほど締めれば感覚がつかめる程度です。
始めはゆっくり、半分入ったら一気に

締め始めはトリガーを少しだけ引いてゆっくり回し、ねじが半分ほど入ったら、トリガーを奥まで引いて一気に締めます。トリガーを小刻みに引いて少しずつ入れていく方法もあります。
入れ始めのねじはまだ不安定なので、いきなり速く回すとねじが暴れたり、合わせた木材どうしがずれたりします。最後に一気に締めるのは、しっかり締め込んで、あとからねじが緩まないようにするためです。
木材をクランプで固定する

ねじを締めるときの力は思ったより強く、木材がずれることがよくあります。しかも本体を両手で押さえるので、木材を押さえる手が足りません。締める木材どうしや、作業台と木材をクランプで固定しておくと、ずれずにきれいに締められます。
クラッチリングで締め付ける力を合わせる

チャックの近くにある、数字が書かれたリングがクラッチリングです。数字が小さいほど締め付ける力が弱く、大きいほど強くなります。DF030Dは18段階で、設定した力がかかると中のクラッチが滑って、それ以上ビットが回らなくなります。

ちょうどいい力は、木材の硬さや厚さ、ねじの太さと長さで変わります。本番の前に、同じ材料の端材でクラッチリングを小さい数字から試して、少しずつ上げながら仕上がりのいい数字を探すのがおすすめです。

ちょうどいい締まり具合は、上の写真の真ん中のように、ねじ頭が木材に少しだけ食い込むくらいです。右のように浮いていると、木材どうしの間にすき間ができたり、時間がたつと抜けてきたりします。左のように締めすぎると、上の板を突き抜けたり、板が薄くなったぶん留める力が弱くなったりします。
穴あけのときは、クラッチリングをドリルのマーク(クラッチが効かない位置)に合わせます。DF030Dの「18段クラッチ+直結」の「直結」がこの位置です。穴あけのコツはドライバドリルで穴をきれいにあける方法にまとめています。
正しく使って、けがなくDIYを

電動工具は、正しく使えばDIYでできることを大きく広げてくれます。一方で、ドライバドリルでも、回っている途中にビットがねじから外れて手に当たることはあり得ます。ねじを押さえる手をビットの先に置かない、ビットを替えるときは正逆転スイッチを真ん中にしておく、といった基本を守って使ってください。
これからドライバドリルを選ぶ場合は、10.8Vと18Vの違いや、筆者が使い比べた機種を電動ドリルドライバーのおすすめにまとめています。


