HiKOKIのマルチボルト(36V)・125mm丸のこ「C3605DB(SK)」。同社の36V・125mm丸のこのうち、床と壁の境目を切る「際切り」に対応したリフォーム用の機種です。C3605DB形の登場は2018年12月。今の(SK)仕様では黒鯱(クロシャチ)チップソーが付き、パワーモードの回転数も7,000min⁻¹に上がっています。
同じく際切りができるHiKOKI 18VのC1805DBや、マキタ40VmaxのHS005G/HS006Gとの違いも紹介します。

C3605DB(SK)のスペック
| 項目 | HiKOKI C3605DB(SK) ![]() |
|---|---|
| 電源 | 36V (マルチボルト) |
| のこ刃径 | 125mm |
| 使えるのこ刃 (外径/穴径) |
120〜125mm /20mm |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm |
| 際切り | 20mm (逆15°) |
| 回転数 (パワー/サイレント) |
7,000/3,500min⁻¹ |
| 質量 (蓄電池装着時) |
2.8kg |
| 寸法 (全長×高さ×全幅) |
279×240×176mm |
| 1充電の切断量 (パワーモード) |
約270本 |
| 集じん機との無線連動 | RP3608DBと連動 (別売) |
| 集じん | 切粉後方排出 (集じん機に接続) |
| ブレーキ/LED | あり/あり (点灯モード3つ) |
| 標準で付くのこ刃 | スーパーチップソー 125mm黒鯱 |
| 本体のみ(NN)の価格 (税別) |
46,900円 |
| セット(2XPSZ)の価格 (税別) |
110,900円 |
※1充電の切断量は、SPF 2×10材(38×235mm)を切ったときの本数です(BSL36A18BX使用時)。寸法もBSL36A18BX装着時の値です。無線連動には、Bluetooth対応の蓄電池が必要です。
※価格はメーカーの標準小売価格(税別・2026年9月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
メリット
- 逆方向に15°傾けて、切込み20mmまでの際切りができる
- 切断スピードは、従来製品C3605DA/DB(スーパーチップソー・5,000回転)から約50%アップ
- サイレントモード(3,500min⁻¹)は、負荷が大きくなると自動でパワーモードに切り替わる。兄弟機C3605DA(SK)を空回しした実測では、パワー100dBからサイレント93dBへ7dB下がった
- コードレス集じん機RP3608DB(別売)と無線で連動できる
デメリット
- 際切りのときは、サブベースを外してパワーモードで使う
- 無線連動には、Bluetooth対応の蓄電池が必要
- 本体のみの(NN)には、ダクトアダプタが付かない
C3605DB(SK)の5つの特徴
- 逆15°に傾けて、床と壁の境目まで切り込める
- 黒鯱と7,000回転で、従来の仕様より速く切れる
- サイレントモードは、負荷がかかると自動でパワーモードに切り替わる
- コードレス集じん機と無線でつながる
- のこ刃の交換と、ベースの平行の調整がしやすい
このほか、切粉を吹き飛ばすブロワ、点灯のしかたを3つから選べるLEDライト、回転がゆっくり立ち上がるソフトスタート、ブレーキも装備。
逆15°に傾けて、床と壁の境目まで切り込める

C3605DB(SK)は、刃をふつうとは反対の方向へ15°まで傾けられます。サブベースを外してこの角度にし、材料に載せる底板(ベース)の先端の右側面を壁に当てれば、床と壁の境目まで最大20mm切り込めます。
際切りのときに材料が見やすいよう、ソーカバーの形も工夫されています(HiKOKIの呼び名は「NEWデザインソーカバー」)。
2026年9月時点で、HiKOKIの36V丸のこで際切りができるのはこの機種だけ。マルチボルトの電池を使っている人は、同じ電池のまま壁際の床まで丸のこで切れます。手順は、このあとの「4つのポイント」にまとめました。
黒鯱と7,000回転で、従来の仕様より速く切れる

パワーモードの回転数は7,000min⁻¹。黒鯱チップソーと組み合わせた切断スピードは約15.6m/minで、従来製品のC3605DA/DB(スーパーチップソー・5,000回転)の約10.3m/minから約50%上がっています。
比べている相手は、のこ刃も回転数も今とは違う従来の仕様です。刃と回転数の両方を変えたことで、同じ長さを切る時間が短くなりました。切る本数が多い作業では、短縮した分が積み重なります。
黒鯱はセット品の(2XPSZ)にも本体のみの(NN)にも付いているので、届いたら刃を買い足さずに切り始められます。
サイレントモードは、負荷がかかると自動でパワーモードに切り替わる

モードは、パワーモード(7,000min⁻¹)と、回転数を3,500min⁻¹に抑えるサイレントモードの2つ。サイレントモードは、パワーモードより騒音を5dB下げる設計です。
サイレントモードで切っていて負荷が大きくなると自動でパワーモードに切り替わり、軽くなればサイレントモードに戻ります。パワーモードで使っているときは、自動では切り替わりません。
普段はサイレントモードで切り、負荷が大きくなると自動で回転を上げられます。ただし、重い切断ではサイレントのまま使えるとは限りません。
コードレス集じん機と無線でつながる

Bluetooth対応の蓄電池を付け、Bluetooth連動機能に対応したHiKOKIのコードレス集じん機RP3608DB(別売)とペアリングすれば、丸のこのスイッチの「入」「切」に合わせて集じん機も運転・停止します。わざわざ集じん機のスイッチを入れに戻る手間がなくなります。
集じん機にもつなげられるのは、切粉が本体の後ろへ出る作りだからです。
のこ刃の交換と、ベースの平行の調整がしやすい

のこ刃は、本体を横に寝かせて交換できます。寝かせたときに下になる3か所にはソフト材が付いていて、下に置いた材料を傷つけにくい設計。
ベースと刃の平行がずれたときは、ベース前側のリンク部で微調整できます(HiKOKIの呼び名は「新並行度調整機能付リンク構造」)。

兄弟機C3605DA(SK)の騒音実測(参考):パワー100dB、サイレント93dB
ここでは、取扱説明書が共通で回転数も同じ兄弟機C3605DA(SK)の実測値を、参考として載せます。C3605DB(SK)を測った値ではありません。
騒音計を本体のすぐそばに置き、刃を空回しした状態で測りました。どの機種も同じやり方なので、機種どうしの比較に使えます。
兄弟機C3605DA(SK)を空回しした実測では、パワー100dBからサイレント93dBへ7dB下がりました。切断中も同じ差になるとは限りません。静音・仕上げモードがあるチャートの3機種の中で、いちばん大きい下がり幅です。
メーカーが挙げる「5dB低減」とは測り方が違うので、7dBとは単純に比べられません。一方、パワーモードの100dBは、このチャートでいちばん大きい値でした。
チャートのC1805DB(98dB/92dB)とHS006G(99dB/95dB)は、あとの比較で扱う機種を実機で測った値です。
C3605DB(SK)を選ぶときに確認したい4つのポイント
際切りは、サブベースを外してパワーモードで行う
取扱説明書にある際切りの手順は、次のとおりです。
- サブベースを外す
- 切込み深さを最小にしてから、逆方向に突き当たるまで傾ける(逆15°)
- 刃の出を実際に測りながら、切込みを0〜20mmに合わせる
- サイレントモードのランプが消えている(パワーモードになっている)ことを確かめる
- 保護カバーのツマミを引き上げ、ベースの先端の右側面を壁に当てて切り込む
切込みは20mmまで。それ以上出すと、刃を固定するボルトの頭が壁に当たります。
また、際切りはパワーモードで行うため、その間はサイレントモードで音を下げられません。際切りをしない普段の切断ではサブベースを付けたまま使うので、この手順は要りません。
無線連動には、Bluetooth対応の蓄電池が要る
RP3608DBと無線で連動させるには、Bluetooth対応の蓄電池が必要です。セット品の(2XPSZ)に入っている蓄電池BSL36A18BXは、これに対応しています。
集じん機と連動させない場合や、BSL36A18BXをすでに持っている場合は、この条件を気にする必要はありません。
本体のみの(NN)は、ダクトアダプタ・蓄電池・充電器・ケースを別途用意
| C3605DB(SK) | (2XPSZ) | (NN) |
|---|---|---|
| 標準小売価格(税別) | 110,900円 | 46,900円 |
| 蓄電池 | BSL36A18BX×2 | ─ |
| 充電器 | UC18YDL2 | ─ |
| ケース | システムケース4 | ─ |
| のこ刃 | 125mm黒鯱 | 125mm黒鯱 |
| 六角棒スパナ | 付属 | 付属 |
| ダクトアダプタ | 付属 | 別売 |

セット品の(2XPSZ)は110,900円で、Bluetooth対応の蓄電池2個・充電器・システムケース4・ダクトアダプタが付きます。本体のみの(NN)は46,900円で、付属品は黒鯱と六角棒スパナの2つ。
集じん機につなぐ場合、(NN)ではダクトアダプタを別に用意します。別売のダクトアダプタはコードNo.376178。付けると、内径28mmの集じん機ホースがつながります。
マルチボルトの蓄電池と充電器をすでに持っていて集じん機につながないなら、46,900円の(NN)を買えば、付属の黒鯱ですぐに切り始められます。
1充電で切れる量は、BSL36A18BXを使ったパワーモードで、SPFの2×10材(38×235mm)が約270本です。杉のたる木(45mm角)なら、パワーモードで約800本、サイレントモードで約1,000本切れます。1日に切る量と照らせば、蓄電池を何個そろえるかの目安になります。
質量は2.8kg。電池は36Vのマルチボルト蓄電池
質量は2.8kgで、蓄電池を付けた状態の値です。電池は36Vのマルチボルト蓄電池を使うので、手持ちのマルチボルト蓄電池と充電器があれば、そのまま使えます。持っていない場合は、蓄電池と充電器が付くセット品を選ぶか、本体のみの(NN)に加えて別に用意してください。電池を持っていても、2.8kgの重さは確かめておきたいところです。
他の際切り丸のこと比較
際切りができる丸のこは、HiKOKIの18V・14.4V用とマキタの40Vmaxにもあります。際切りをしないなら、同じ36Vの兄弟機も候補です。比べるポイントは、際切りが要るかどうかと、使っている電池の種類。価格はすべて本体のみで比べているため、電池を持っていない場合は、蓄電池と充電器の予算も見ておいてください。
C3605DA(SK)(HiKOKI 36V):際切りをしない場合
| 項目 | HiKOKI C3605DA(SK) ![]() |
HiKOKI C3605DB(SK) ![]() |
|---|---|---|
| 際切り | ─ | 20mm (逆15°) |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm |
| 回転数 | 7,000/3,500min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ |
| 質量 (蓄電池装着時) |
2.7kg | 2.8kg |
| 集じん機との無線連動 | ○ | ○ |
| 本体のみの価格 (税別) |
42,800円 | 46,900円 |
取扱説明書が共通の兄弟機で、切込み深さと回転数は同じです。違いは際切り機能の有無で、C3605DA(SK)には付いていません。
際切りが必要ならC3605DB(SK)。不要なら、切込み深さと回転数が同じC3605DA(SK)のほうが、本体のみの価格は4,100円安くなります。
C1805DB(HiKOKI 18V・14.4V):18V・14.4Vの電池で際切りをしたい場合
| 項目 | HiKOKI C1805DB ![]() |
HiKOKI C3605DB(SK) ![]() |
|---|---|---|
| 電源 | 18V・14.4V | 36V (マルチボルト) |
| 際切り | 20mm (逆15°) |
20mm (逆15°) |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm |
| 回転数 | 6,000/3,000min⁻¹ | 7,000/3,500min⁻¹ |
| 質量 (蓄電池装着時) |
2.8kg | 2.8kg |
| 集じん機との無線連動 | ─ | ○ |
| 本体のみの価格 (税別) |
41,200円 | 46,900円 |
※C1805DBの質量は、BSL36A18X装着・のこ刃除くの値です。
HiKOKIの18V・14.4V用の丸のこで、際切りの深さと手順はC3605DB(SK)と同じです。違うのは、使う電池の電圧と回転数、集じん機との無線連動の有無。C1805DBは本体のみの販売で、蓄電池・充電器付きのセットはありません。
C3605DB(SK)はパワーモードの回転数が1,000min⁻¹高く、集じん機との無線連動にも対応します。C1805DBは18V・14.4Vの電池で同じ深さの際切りができ、本体のみの価格は5,700円安くなります。
HS005G/HS006G(マキタ 40Vmax):マキタ40Vmaxの電池で際切りをしたい場合
| 項目 | マキタ HS005G ![]() |
マキタ HS006G ![]() |
HiKOKI C3605DB(SK) ![]() |
|---|---|---|---|
| 電源 | 40Vmax | 40Vmax | 36V (マルチボルト) |
| 際切り | 20mm (左15°) |
20mm (左15°) |
20mm (逆15°) |
| 切込み深さ (90°/45°) |
47/30mm | 47/30mm | 47/30mm |
| モード | スピード/仕上げ | スピード/仕上げ | パワー/サイレント |
| 回転数 (min⁻¹) |
6,000/4,500 | 6,000/4,500 | 7,000/3,500 |
| 質量 | 2.8kg | 2.8kg | 2.8kg |
| 集じん機との無線連動 | ─ | ○ | ○ |
| 標準で付くのこ刃 | 鮫肌 (A-67175) |
鮫肌 (A-67175) |
黒鯱 |
| 本体のみの価格 (税別) |
44,400円 | 46,000円 | 46,900円 |
※回転数はモードの欄の順です。HS005G/HS006Gの本体のみは、HS005GZ/HS006GZです。
マキタの40Vmaxで際切りができる機種で、際切りの深さは同じ20mm。無線連動に対応するのはHS006Gです。2つ目のモードは狙いが違い、HiKOKIのサイレントモードは音を下げるため、マキタの仕上げモードは切断面をきれいに仕上げるためです。
際切りと切込みの能力は同じなので、比べるのは電池の系統とモードの中身、それに無線連動が要るかどうかです。
電動工具なびの見解

マルチボルト(36V)の電池を使っていて、床と壁の境目を20mm以内の深さで切りたいなら、C3605DB(SK)は候補になります。
普段の切断に加えて、際切りまでマルチボルトの電池のまま1台でこなせる。これがこの機種の一番の特徴で、7,000min⁻¹のパワーモードとサイレントモード、集じん機RP3608DBとの無線連動も備えています。
ただし、際切りはパワーモードで行うため、その間は音を下げられません。際切りをしない場合はC3605DA(SK)、18V・14.4Vの電池を使っている場合はC1805DBと、際切りの有無や電池の違いを比べて選んでください。




