2026年3月に発売された、HiKOKIの10.8Vコードレス全ねじカッタ「CL12DA」。全ねじ(全体にねじが切られたボルト。寸切りボルトとも呼ばれ、天井から設備を吊るときなどに使います)を切る工具で、2026年10月時点のHiKOKIの全ねじカッタ4機種のうち、10.8VはCL12DAだけです。
本体のみのCL12DA(NN)を購入し、手持ちの10.8Vの電池(T-PWRの5.0Ah・4.0AhのBSL1240M・1.5Ah)を付けて、全ねじを切ってナットを通したり、1.5Ahの電池で続けて切ったり、ステンレスの全ねじを切ったりしてみました。比べるのは、同じHiKOKIの18V機CL18DAと、マキタの10.8V機SC103Dです。

CL12DAのスペック

| 項目 | HiKOKI CL12DA ![]() |
|---|---|
| 電圧 | 10.8V |
| モーター | 直流ブラシレス モーター |
| 切断能力 (軟鋼全ねじ) |
W5/16・W3/8・ M6・M8・M10 |
| 切断能力 (ステンレス全ねじ) |
W3/8 |
| 無負荷ストローク数 | 32min⁻¹ (気温20℃・ 満充電時) |
| 最小切断長さ | 17mm (全ねじの 出張り長さ) |
| 寸法 (全高×全長×全幅) |
282×200×113mm (BSL1250MT 装着時) |
| 質量 | 2.7kg (BSL1250MT 装着時・ 標準付属品を 含まない)/ 2.4kg (電池なし) |
| 1充電の作業量 (W3/8) |
軟鋼 約800本/ ステンレス 約350本 (BSL1250MT 使用時・参考値) |
| 使える電池 | 10.8Vリチウム イオン電池 (BSL12XX シリーズ) |
| 機能 | LEDライト・ コレクトボックス (ワンタッチ着脱)・ 仮置き用フック・ ブレーキ・ 定置切断・ トリマ装着 |
| 標準付属品 | W3/8カッタ (本体装着)・ W3/8トリマ・ 六角棒スパナ (本体収納)・ スケール・ コレクトボックス |
| 希望小売価格 (税別) |
(JS) 80,000円 (BSL1250MT×1・ UC12SDL・ システムケース3 付き)/ (NN) 60,000円 (電池・充電器・ ケース別売) |
※価格はメーカーの希望小売価格(税別・2026年10月時点)です。販売店での実際の価格とは異なります。
W3/8は3/8インチ(約9.5mm)のウィットねじ、M10は直径10mmのメートルねじで、どちらも全ねじの太さを表します。無負荷ストローク数は、何も切っていないときに刃が1分間に動く回数のこと。CL12DAは、指定サイズの全ねじ以外を切ることには使えません。
メリット
- 質量はBSL1250MT装着時で2.7kg(化粧箱の表記は「クラス最軽量」)。電池なしでは2.4kg
- 全ねじの出張り長さ17mmまで切れる(最小切断長さ)
- 切った全ねじはコレクトボックスで受け、ボックスはワンタッチで外せる
- LEDライトと仮置き用のフックが付き、W3/8のトリマを本体に付けておける
- 実際に切ってみると、切った端にナットが通り、1.5Ahの電池でも続けて切れた
デメリット
- 切れるのは軟鋼のW5/16・W3/8・M6・M8・M10と、ステンレスのW3/8。W1/2・M12は切断能力に含まれない
- W3/8以外のサイズは、別売のカッタ(スペーサ付き)に付け替える
- ステンレスのW3/8を4.0Ahの電池(BSL1240M)で切ったときは、一度では切れなかった(実際に試した範囲)
- 本体のみの(NN)は60,000円で、電池・充電器・ケースは別売
CL12DAの5つの特徴
- 電池込みで2.7kg(BSL1250MT装着時)。上向きの作業を想定した軽さ
- 全ねじの出張りを17mmまで短く切れる
- 切った全ねじはコレクトボックスで受け、まとめて捨てられる
- LEDライトで、暗い場所でも刃口を照らせる
- 仮置きに使える大型のフックが付く
電池込みで2.7kg(BSL1250MT装着時)。上向きの作業を想定した軽さ

CL12DAの質量は、5.0Ahの電池BSL1250MTを付けた状態で2.7kg(標準付属品を含まない)。化粧箱の仕様では、電池を外した本体は2.4kgです。
メーカーの比較では、2026年2月時点で国内メーカーのコードレス全ねじカッタの中で最も軽い値で、化粧箱にも「クラス最軽量」と印刷されています。想定しているのは、天井に向けて構える上向きの作業。全ねじに当てて持ち上げ、構え直す回数が多いほど、手にかかる重さとして出てくる数字です。
実際に、全ねじを刃口に縦に差し込み、スケールを立てて片手で構えてみました。他の全ねじカッタとの重さの違いは、あとの比較の節にまとめています。
全ねじの出張りを17mmまで短く切れる

最小切断長さ(どこまで短く切れるかの値)は、全ねじの出張り長さで17mm。2026年2月時点の国内メーカーのコードレス全ねじカッタで最も短い値です(メーカー調べ)。
従来の蛍光灯器具を薄型のLEDライトユニットに交換するときに便利な長さです。器具が薄くなったぶん、天井から出ている全ねじを短く切りそろえたい場面で使えます。
全ねじをはさんで切るのは、固定刃と可動刃が1組になったカッタで、本体にはW3/8用が付いた状態で届きます。
切った全ねじはコレクトボックスで受け、まとめて捨てられる

刃口の下には、ワンタッチで付け外しできる透明なコレクトボックス。切り落とした全ねじを、落とさずに受けられます。
天井の下で何本も切るときも、切った全ねじを床に散らさずにボックスへためておき、外してまとめて捨てられるのが利点です。

LEDライトで、暗い場所でも刃口を照らせる
刃口の奥にLEDライトが付いていて、点灯させると、全ねじを差し込むカッタのまわりが明るくなりました。
天井の近くのような暗い場所でも、全ねじを差し込む位置を照らしながら切れます。

仮置きに使える大型のフックが付く
本体の側面に付いているのは、針金を曲げた形の大型フック。
全ねじを持ち替えたり、ナットを付けたりする合間に、本体を掛けておけるので、置き場所を探さずに両手を空けられます。
CL12DAで全ねじを実際に切ってみた
T-PWRの5.0Ah電池と1.5Ahの電池を付け、本体に付いているW3/8のカッタで全ねじを切りました。切った端にナットを通したり、切り口を並べたりしています。1本を切る時間や、1充電で切れる本数は測っていません。
W3/8のカッタに全ねじを差し込んで切る

T-PWRの5.0Ah電池を付け、W3/8のカッタに全ねじを差し込んでスイッチを引くと、全ねじが切れました。
切り落とした側は、そのままコレクトボックスで受けられました。
切った端にナットが通った

切った全ねじの端に、ナットを手で回し入れてみると、そのまま通りました。
付属のW3/8トリマも、切った端に通してみました。トリマは全ねじを切ったあとのバリ取りに使う部品で、本体に付けて持ち歩けます。

切った全ねじを3本並べて、切り口を見てみました。
1.5Ahの電池でも続けて切れた

電池を1.5Ahに付け替えて、全ねじを続けて切ってみました。写真の右は、このとき切った全ねじを5本並べたところです。
手持ちの小さい1.5Ahの電池でも、何本か続けて切れました。1充電で何本まで切れるかは試していません。
CL12DAを選ぶときに確認したい4つのポイント
切れる全ねじはW3/8・M10まで。W3/8以外はカッタを付け替える
標準で本体に付いているのは、ステンレスと軟鋼の両方に使えるW3/8のカッタだけ。W5/16・M6・M8・M10の軟鋼の全ねじを切るときは、別売のカッタ(軟鋼用・スペーサ付き)に付け替えます。バリ取り用のトリマも、標準で付くのはW3/8用です。
本体の注意ラベルにあるとおり、カッタのサイズに合わない全ねじを切ると、本体が破損するおそれがあります。W1/2やM12の全ねじは、切断能力に含まれていません。
切る全ねじがW3/8だけなら、付属のカッタのまま使えます。
ステンレスの全ねじは、4.0Ahの電池(BSL1240M)では一度で切れなかった

ステンレスのW3/8の全ねじを、4.0Ahの電池(BSL1240M)を付けて切ってみると、刃が途中で止まり、一度では切れませんでした。一度刃を戻して、同じ所にもう一度食い込ませると切れています。
公式の切断能力にはステンレスのW3/8が含まれ、使う電池の指定もありませんが、実際に4.0Ahの電池で試した範囲では、一度で切り落とせない場面がありました。途中で止まると、刃を戻して切り直す手間が1回増えます。
切るのが軟鋼の全ねじだけで、ステンレスを切らないなら、この点は当てはまりません。
1充電で切れる本数は、W3/8の軟鋼で約800本(BSL1250MT使用時)
1充電で切れる本数の目安は、W3/8の軟鋼で約800本、ステンレスで約350本。どちらもBSL1250MTを使ったときの参考値で、ほかの電池での本数は公表されていません。
ステンレスの本数は、同じW3/8の軟鋼の半分以下です。ステンレスの全ねじを多く切る日ほど、電池を替える回数が増える数字です。
予備の電池を用意する場合や、1日に切る本数がこの目安より少ない場合は、気にする必要はありません。
本体のみの(NN)は、電池・充電器・ケースが別売

| 品番 | 電池 | 充電器 | ケース | 希望小売価格(税別) |
|---|---|---|---|---|
| CL12DA(JS) | BSL1250MT(5.0Ah)×1 | UC12SDL | システムケース3 | 80,000円 |
| CL12DA(NN)今回購入 | ─ | ─ | ─ | 60,000円 |
※どちらもW3/8カッタ(本体装着)・W3/8トリマ・六角棒スパナ・スケール・コレクトボックスが付き、(JS)には電池カバーも付きます。
差額20,000円は、BSL1250MT 1個と急速充電器UC12SDL、システムケース3が付く分にあたります。UC12SDLでBSL1250MTを充電する時間は約30分(周りの温度や電池の状態で長くなることがあります)。
電池と充電器を持っていない場合、本体のみの(NN)だけでは使い始められません。HiKOKIの10.8Vの電池(BSL12XXシリーズ)と充電器が手元にあれば、(NN)で使えます。
他の全ねじカッタと比較
CL18DA(HiKOKI 18V):W1/2やM12の全ねじも切る場合
| 項目 | HiKOKI CL18DA ![]() |
HiKOKI CL12DA ![]() |
|---|---|---|
| 電池 | マルチボルト電池・ 18V電池 |
10.8V電池 (BSL12XX シリーズ) |
| 切断能力 (軟鋼全ねじ) |
W5/16・W3/8・ W1/2・M6・ M8・M10・M12 |
W5/16・W3/8・ M6・M8・M10 |
| 切断能力 (ステンレス全ねじ) |
W3/8 | W3/8 |
| 無負荷ストローク数 | 28min⁻¹ | 32min⁻¹ |
| 最小切断長さ | 記載なし | 17mm |
| 質量 | 3.2kg (BSL36A18X 装着時) |
2.7kg (BSL1250MT 装着時) |
| 寸法 (全長×全幅×全高) |
213×113×310mm (BSL36A18X 装着時) |
200×113×282mm (BSL1250MT 装着時) |
| 1充電の作業量 (W3/8・5.0Ah) |
軟鋼 約1,400本/ ステンレス 約750本 |
軟鋼 約800本/ ステンレス 約350本 |
| LEDライト・ コレクトボックス・ フック |
あり | あり |
| 標準付属品 | W1/2カッタ・ W3/8カッタ・ W3/8スペーサ・ W3/8トリマ・ 六角棒スパナ・ スケール・ コレクトボックス |
W3/8カッタ・ W3/8トリマ・ 六角棒スパナ・ スケール・ コレクトボックス |
| 本体のみの価格 | 63,000円 (NN) |
60,000円 (NN) |
| 電池1個・充電器・ システムケース3 付きの価格 |
100,000円 (XPZ・ BSL36A18X・ UC18YDL2) |
80,000円 (JS・ BSL1250MT・ UC12SDL) |
同じHiKOKIのコードレス全ねじカッタで、マルチボルト電池と18Vの電池で使う機種。LEDライト・コレクトボックス・フックと、標準付属のW3/8トリマはCL12DAと同じです。
質量は、どちらもセットに付く標準の電池を付けた値(CL12DAはBSL1250MT、CL18DAはBSL36A18X)で、1充電の作業量も、どちらも5.0Ahの電池での値です。
本体のみの(NN)どうしでは、CL12DAが3,000円安く、CL18DAにはW1/2のカッタとW3/8のスペーサが付きます。セットは付く電池と充電器が違うため、価格は並べるだけにしました。
CL18DAはW1/2・M12まで切れ、同じ5.0Ahの電池の1充電でW3/8の軟鋼を約1,400本(CL12DAは約800本)切れます。CL12DAは標準の電池を付けた質量が2.7kgで、CL18DA(3.2kg)より0.5kg軽くなります。
SC103D(マキタ 10.8V):マキタ10.8Vのスライド式バッテリで使う場合
| 項目 | マキタ SC103D ![]() |
HiKOKI CL12DA ![]() |
|---|---|---|
| 電池 | マキタ10.8V (スライド式) |
HiKOKI 10.8V (BSL12XX シリーズ) |
| 切断能力 (軟鋼全ねじ) |
W3/8・M10 (別売品で W5/16にも対応) |
W5/16・W3/8・ M6・M8・M10 |
| 切断能力 (ステンレス全ねじ) |
W3/8 | W3/8 |
| 無負荷ストローク数 | 記載なし | 32min⁻¹ |
| 最小切断長さ | 20mm | 17mm |
| 質量 | 2.8kg (バッテリ含む・ 型番の記載なし) |
2.7kg (BSL1250MT 装着時) |
| 寸法 (全長×全幅×全高) |
180×107×289mm | 200×113×282mm (BSL1250MT 装着時) |
| 1充電の作業量 (W3/8) |
軟鋼 約700本/ ステンレス 約550本 (電池の記載なし) |
軟鋼 約800本/ ステンレス 約350本 (5.0Ah) |
| LEDライト | あり | あり |
| コレクトボックス・ フック |
記載なし | あり |
| 標準付属品 | W3/8切断用刃・ スケール・ 六角棒スパナ・ 刃カバー |
W3/8カッタ・ W3/8トリマ・ 六角棒スパナ・ スケール・ コレクトボックス |
| 本体のみの価格 | 63,000円 (SC103DZK・ マックパック タイプ2付き) |
60,000円 (NN・ ケースなし) |
| セットの価格 | 84,400円 (SC103DSMX・ BL1040B×2・ DC10SA・ マックパック タイプ2) |
80,000円 (JS・ BSL1250MT×1・ UC12SDL・ システムケース3) |
マキタの10.8V(スライド式バッテリ)で使う全ねじカッタ。切れる全ねじはW3/8・M10とステンレスのW3/8で、W5/16は別売品で対応します。
最小切断長さは、どちらも公式の同じ項目の値です。SC103Dの質量と1充電の作業量には電池の型番が書かれておらず、価格もケースの有無やセットの電池の数が違うため、差は出さずに中身と並べています。
最小切断長さはCL12DAが3mm短い17mm(SC103Dは20mm)で、コレクトボックスとフックが付きます。一方のSC103Dは、マキタ10.8Vのスライド式バッテリで動く全ねじカッタです。
電動工具なびの見解

HiKOKIの10.8Vの電池を持っていて、W3/8までの全ねじを上向きで切ることが多いなら、CL12DAは候補になります。
電池込みで2.7kg(BSL1250MT装着時)と軽く、全ねじの出張りを17mmまで切れるうえ、切った全ねじをコレクトボックスで受けられるのも特徴です。
一方、切れる全ねじはW3/8・M10までで、W3/8以外のサイズはカッタを付け替えて切ります。
W1/2やM12の全ねじも切る場合や、1充電で切る本数を増やしたい場合はCL18DAと比べて切断能力と作業量の違いを、マキタの10.8Vのバッテリを使っている場合はSC103Dと比べて電池と最小切断長さの違いを見て選んでください。




